【新型コロナ対策】農林水産関係5448億円-令和2年度補正予算2020年4月8日
政府は4月7日、新型コロナウイルス感染拡大にともなう令和2年度の補正予算案を閣議決定した。農林水産関係は農畜産業振興機構(ALIC)の事業費950億円を含めて5448億円とした。
柱は農林水産物の販売促進・飲食業の需要喚起と、農林漁業者・食品関連事業者の事業継続・雇用維持。
需要が減退している農林水産物の販売促進に1400億円、このほかにALIC事業で500億円と措置する。インバウンド需要、外食需要の減少、輸出の停滞などで在庫が増加し滞留するなどの影響が出ている農林水産物について販売促進の取り組みを幅広く支援する。
具体的には牛肉、果物、水産物、花きなどの販売促進を支援。また、公共施設の木造化・木質化のプロモーションを支援する。農林水産物の需要を喚起するための広報活動も支援する。
入国規制による外国人材の不足などに対応した労働力の確保などに60億円を措置する。
農業経験を持つ即戦力人材や農業高校、農業大学校の学生など多様な人材の派遣、雇用を支援する。
また、農業高校・農業大学校などへの研修用機械、設備の導入を支援する。労働力不足を解消するため現場でのスマート技術の導入・実証も実施する。
経営維持・再建のための資金繰りの確保に298億円を措置する。
この予算をもとに、資金繰りの支障が出ないよう金融機関に対して適時・適切な貸出、担保徴求の弾力化、既往債務の返済猶予など条件変更への対応を国が要請する。また、農林漁業セーフティネット資金などの経営再建に必要な資金の実質無利子化、無担保化を措置する。
畜産・酪農対策は事業継続支援を450億円のALIC事業で実施する。肉用牛の計画的出荷にともなう追加費用、肉用牛肥育生産におけるコスト低減などの取り組みを支援する。
在庫が著しく増加している脱脂粉乳について、業務用から飼料用など仕向け先の変更を支援する。新型コロナ感染症が発生した農場の事業継続を確保するための代替要員派遣の支援も行う。そのほか肉用牛肥育経営安定交付金(牛マルキン)の生産者負担金の納付猶予も措置する。
次期作期を迎える野菜、花き、茶などのついては、種苗、土壌改良などの生産に必要な資材の購入、機械のレンタルなどの支援に242億円を措置する。
野菜価格安定対策は価格下落の影響緩和のため資金を追加(56億円)、生産者負担金の納付猶予も措置する。
農林水産物・食品の輸出維持、促進のため物流への支援、食品製造設備などの整備、導入の支援に147億円を措置する。また、国産農産物への切り替えに対応した体制の整備のために143億円を措置する。産地と実需者が一体となって行う野菜などの加工に必要な施設整備・改修を支援する。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日