家庭で牛乳乳製品「プラスワン」を 生乳廃棄防げ-農水省が緊急プロジェクト2020年4月21日
新型コロナウイルス感染症の拡大で業務用を中心に需要が大幅に落ち込んでいる牛乳乳製品だが、生乳生産のピークとなる6月に向け、農水省は「行き場を失う生乳が発生する懸念がある」として家庭内での牛乳乳製品の消費を呼びかけている。4月21日、日本の牛乳を救う「プラスワンプロジェクト」を緊急にスタート、「毎日牛乳もう(モ~)1杯、育ち盛りはもう(モ~)1パック」をキャッチフレーズに18歳未満の若者、子どもたちがコップ1杯分(200ml)牛乳を飲む量を増やすことで生乳廃棄を避けられると理解を求めている。
3月の全国一斉休校により、日量2万tの生乳供給量の約1割を占める1日1900tの学校給食用牛乳がキャンセルされたことに加え、4月の緊急事態宣言で店舗の臨時休業など業務用需要も減少している。さらに4月16日に緊急事態宣言の対象が全国に広がったことでこれまで以上に業務用需要が減少する懸念がある。
これまでに学校給食用牛乳の供給停止にともなってバター・脱脂粉乳への仕向けのために価格差を支援を実施(緊急対応策第2弾)したほか、脱脂粉乳の在庫を抑制するため飼料用に仕向ける支援(緊急経済対策)を実施しているが、大手コーヒーチェーンの臨時休業や、ホテル、土産用菓子などの需要減で生クリームを中心に業務用乳製品の需要が大きく減少している。
農水省が業界に聞き取ったところ、業務用需要は3月は対前年比2割減、4月は同5~7割減だという。
こうしたなか農水省は今後、長期保存が可能なバターやチーズにより仕向けるため、農畜産業振興機構(ALIC)の事業費19億円を活用して需給調整に協力する乳業メーカーを支援する新たな対策を打ち出すことにしている。
ただし、バターやチーズの製造能力にも限界があるため、酪農家が生産した生乳が行き場を失うことを避けるため、家庭で牛乳やヨーグルトを一層消費してほしい、と呼びかけている。
乳牛は春先が出産のピーク、出産後の1~2か月がもっとも乳量が多く6月に生乳生産のピークを迎える。
一方、休校や外出自粛などで牛乳乳製品の家庭内消費は増えてはいる。4月6日から12日では家庭用1L牛乳は対前年比117%で3790t増加した。農水省は生乳廃棄の事態ともなれば「酪農家が生産意欲を失ってしまう」と懸念する。
18歳未満は約2000万人。週に1回、コップ1杯分(200ml)牛乳を飲む量を増やすと学校給食牛乳1週間分(9500t)の約4割の相当する量が消費されることになるという。
重要な記事
最新の記事
-
(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
-
地域医療の実態 診療報酬に反映を JA全厚連が決議2024年7月26日
-
取扱高 過去最高の930億円 日本文化厚生連決算2024年7月26日
-
【人事異動】JA全厚生連 新理事長に歸山好尚氏(7月25日)2024年7月26日
-
【警報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で最大限の警戒を 鳥取県2024年7月26日
-
【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2024年7月26日
-
今が旬の「夏酒」日本の酒情報館で提案 日本酒造組合中央会2024年7月26日
-
ヤンマーマルシェ、タキイ種苗と食育企画「とりたて野菜の料理教室」開催 カゴメ2024年7月26日
-
「ごろん丸ごと国産みかんヨーグルト」再登場 全国のローソンで発売 北海道乳業2024年7月26日
-
物価高騰が実質消費を抑制 外食産業市場動向調査6月度2024年7月26日
-
農機具王「サマーセール」開催 8月1日から リンク2024年7月26日
-
能登工場で育った「奇跡のぶなしめじ」商品化 25日から数量限定で受注開始 ミスズライフ2024年7月26日
-
東京・茅場町の屋上菜園で「ハーブの日」を楽しむイベント開催 エスビー食品2024年7月26日
-
鳥インフル 米国オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月26日
-
大玉すいか販売大幅減 小玉「ピノ・ガール」は前年比146.8% 農業総研2024年7月26日
-
千葉県市原市 特産の梨 担い手確保・育成へ 全国から研修生募集2024年7月26日
-
水産・農畜産振興 自治体との共創事例紹介でウェビナー開催 フーディソン2024年7月26日
-
新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
-
自由研究に「物流・ITおしごと体験」8月は14回開催 パルシステム連合会2024年7月26日
-
高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業が最盛期2024年7月26日