東北地域3県目のトルコギキョウ斑点病 山形県2020年11月27日
山形県病害虫防除所は、庄内地域のトルコギキョウ施設栽培でトルコギキョウ斑点病を確認。これを受け、11月25日に特殊報第3号を発表した。
ほ場での発生状況(左)、病斑部の拡大(分生子座)
8月下旬に庄内地域のトルコギキョウ施設栽培で、下位~中位葉にかけて黒~灰褐色のすす状の病斑を示す株を確認。発病葉及び分離菌株を横浜植物防疫所に同定依頼したところ、トルコギキョウ斑点病(Pseudocercospora nepheloides)と判明した。
トルコギキョウ斑点病は平成20年に福岡県で初めて確認され、現在まで20県で確認されており、東北地域では平成30年に宮城県、福島県で報告されている。
この病ははじめ下位葉に5~10mm程度の退緑斑紋が発生し、後に葉表と葉裏に灰褐色~黒褐色のすす状の病斑を形成する。病斑上には小黒点(分生子座)が多数形成され、病斑は下位葉を中心に発生するが、蔓延すると上位葉へと伸展する。
ほぼ年間を通して育苗中及び本圃で発生し、特に春から秋の多湿条件下で多発する。また、葉の初期病斑は淡い退緑斑紋だが、秋季に気温が低下するとすす状の病斑を形成する。現在確認されている宿主植物は、トルコギキョウのみとされる。
病原菌は糸状菌の一種で不完全菌類に属し、分生子座は濃褐色で葉の表裏に形成される。分生子柄は淡オリーブ色~褐色、シンポジオ型に分生子を形成しジグザグ状に伸長する。
分生子は単生し無色~淡オリーブ色、頂部は丸く基部は裁断状で分離痕は肥厚しない。形や大きさは変異に富むが、概ね円筒形~倒棍棒状で0~7個の隔壁を有し、大きさは22.2~51.0×3.1~5.0マイクロメートル。 生態や伝染環についての詳細は不明だが、病斑上に形成される分生子により伝染する。
防除対策では、多湿条件下で発生が助長されるため、施設内の通風及び換気に努める。発病葉は見つけ次第速やかに取り除き適切に処分し、薬剤防除を行う。また、罹病株の残渣は伝染源となるため、施設外に持ち出し適切に処分するよう促している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































