移住から就農まで徹底サポート 島根県立農林大学校に「就農準備コース」新設2020年12月10日
島根県は、「自営就農」を目的としたIターン・Uターンを手厚くサポートするため、島根県立農林大学校に「就農準備コース」を2021年に新設する。
卒業生でぶどう農家の小平さん(写真左)と田代さん
島根県は近年、移住先としての人気が高まっており、2019年度に3700人の移住者を受け入れた。人気の要因としては、合計特殊出生率が全国2位で、保育所数は10万人あたり 全国2位と「子育てのしやすさ」や、「働きやすさ」(平均帰宅時間の早さ全国2位)、「暮らしやすさ」(スーパーマーケット店舗数全国1位)などが挙げられる。
島根県は、年齢や経験の有無にかかわらず、就農をめざす人が就農準備や住居の不安なく就農できるよう、研修内容・農地・住居・販路・経営モデル等をひとまとめにした「包括的就農パッケージ」を用意している。
新設の「就農準備コース」では、栽培と自ら経営する"自営就農"を目標としており、農業経営についても学べる基礎講義のほか、スマート農業など農業の新技術や、マーケティング・流通、会計・ファイナンス、マネジメントなどのプログラムを用意。就農にあたっては在学中から農地確保、機材整備、就農計画作成などを市町村や農協・農家など各関係機関と連携してサポートする。
すでに2020年には短期養成コース(1年コース)を設立。卒業後すぐに島根県内の農業経営者となることをめざす社会人経験者などを対象にした個別カスタム型カリキュラムで、「就農準備コース」と同様、栽培と経営に必要な知識・技術を短期間で身につけられる。入学前に県内市町村と相談して就農予定地を決めて就農ビジョンを確定し、予定地での実践研修も行うため、移住~研修~就農までの流れが明確になり、卒業後に即、就農に向けて安心して学べる。
同校の農業科は、自営就農にむけて市町村包括的就農業パッケージによるリースハウスや空きハウス斡旋制度、農業次世代人材投資資金など支援制度が充実。また、入学検定料2200円、入学料5650円、授業料月額9900円と県立高校と同額で、安く学べて暮らせるのも魅力で、エアコンやWi-Fiを完備した個室の寄宿舎は、月額1万円前後で、健康的な食事を出す学生食堂も完備している。
大阪府出身で地元の農業高校を卒業後、島根県にIターンした同校の卒業生でぶどう農家の小平亮介さん(写真左)は「『この品種で農業経営者になる!』と思う品目や品種が見つかるのが、農林大学校の最大の強み。卒業生同士では今でも交流があります。横のつながりだけでなく、縦のつながりができるのも自営農家としては心強い」と話す。また、同じく卒業生で、かつては東京でシステムエンジニアとして働き、島根県にIターンしたぶどう農家の田代稔さんは「県立農林大学校は、JAや市町村とのつながりはもちろん、農家のさまざまな情報が集まってくる。農林大学校在学中に、今使っている農地(ハウス10連棟)が空いてることを知ることができたため、卒業と同時に独立した農業経営者としての第一歩を踏み出せた。こうした手厚いサポートも、農林大学校の大きな強みだと思います」と話している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(167)食料・農業・農村基本計画(9)肥料高騰の長期化懸念2025年11月8日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(84)グルコピラノシル抗生物質【防除学習帖】第323回2025年11月8日 -
農薬の正しい使い方(57)ウイルス病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第323回2025年11月8日 -
【注意報】冬春トマトなどにコナジラミ類 県西部で多発のおそれ 徳島県2025年11月7日 -
米の民間4万8000t 2か月で昨年分超す2025年11月7日 -
耕地面積423万9000ha 3万3000ha減 農水省2025年11月7日 -
エンで「総合職」「検査官」を公募 農水省2025年11月7日 -
JPIセミナー 農水省「高騰するコスト環境下における食料システム法の実務対応」開催2025年11月7日 -
(460)ローカル食の輸出は何を失うか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年11月7日 -
「秋の味覚。きのこフェア」都内の全農グループ店舗で開催 JA全農2025年11月7日 -
茨城県「いいものいっぱい広場」約200点を送料負担なしで販売中 JAタウン2025年11月7日 -
除草剤「クロレートS」登録内容変更 エス・ディー・エス バイオテック2025年11月7日 -
TNFDの「壁」を乗り越える 最新動向と支援の実践を紹介 農林中金・農中総研と八千代エンジニヤリングがセミナー2025年11月7日 -
農家から農家へ伝わる土壌保全技術 西アフリカで普及実態を解明 国際農研2025年11月7日 -
濃厚な味わいの「横須賀みかん」など「冬ギフト」受注開始 青木フルーツ2025年11月7日 -
冬春トマトの出荷順調 総出荷量220トンを計画 JAくま2025年11月7日 -
東京都エコ農産物の専門店「トウキョウ エコ マルシェ」赤坂に開設2025年11月7日 -
耕作放棄地で自然栽培米 生産拡大支援でクラファン型寄附受付開始 京都府福知山市2025年11月7日 -
茨城県行方市「全国焼き芋サミット」「焼き芋塾」参加者募集中2025年11月7日 -
ワールドデーリーサミット2025で「最優秀ポスター賞」受賞 雪印メグミルク2025年11月7日


































