コムギ黄斑病の防除対策の徹底を 山口県2021年2月22日
山口県病害虫防除所は2月19日、コムギ黄斑病の発生状況をまとめた農作物病害虫発生予察技術資料第4号を発表。今年は気温が高く、例年に比べ早い時期から上位葉への進展が懸念されることから、防除対策の徹底を促している。
コムギ黄斑病発生ほ場の状況
コムギ黄斑病は山口県農林総合技術センター内の小麦後大豆作ほ場の作付けで年内から発生しており、現在県内の各地で確認されている。
防除対策では、チルト乳剤25の1000倍液またはワークアップフロアブルの2000倍液を60~150l/10a散布する。小麦の基幹防除である出穂後の赤かび病などの防除を待たず、3月中旬までを目途に早めに防除を行い上位葉への進展を阻止するよう呼びかけている。
この病原菌は糸状菌の一種で、前作のわらなどの残渣上に形成された子のう胞子が第一次伝染源となり、年内から発病が始まる。その後、2月上旬頃から葉の病斑上に形成された分生胞子によって上位葉に二次伝染する。

発病の初期は、葉に黄褐色や楕円形の小斑点が生じ、次第に拡大して灰褐色、不定形の大型病斑となる。この病は小麦でのみ発生し、大麦では発生しない。品種によって抵抗性が異なる。「せときらら」は抵抗性が弱く、「ふくさやか」は強いため、「せときらら」の栽培では特に注意が必要としている。
一般的に前作が水稲のほ場に比べ、小麦の連作ほ場や小麦後大豆のような畑作物の連作ほ場で発生が多い。このような畑作連作ほ場では、発生状況をよく確認し、早期に防除を行うよう注意を呼びかけている。また、「せときらら」を栽培する場合は水稲との輪作を計画的に行う。輪作の実施が困難な場合は小麦の収穫後、夏期の代かき湛水や早期に耕起を行い、前作残渣の分解促進を図ることで発生抑制に効果が期待できるとしている。
同防除所の担当者は「コムギ黄斑病を発病すると葉が早期に黄化や枯死し、上位葉で多発生すると収量や品質が低下する。防除対策を参考に早期の発見と対策を実施してほしい」と注意を呼びかけた。
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日