サツマイモ基腐病を県内で初確認 群馬県2021年6月17日
群馬県農業技術センターは、県東部地域のかんしょでサツマイモ基腐病を初めて確認し、6月14日に特殊法第1号を発表した。群馬県など関東地方での発生は初確認となる。
苗基部の黒変と種いもの腐敗
5月に県東部地域のかんしょほ場で、茎葉部の黄化や種いもの腐敗症状を確認した。現地ほ場で採取したかんしょの茎葉の診断を、農研機構植物防疫研究部門に依頼したところ、サツマイモ基腐病と同定された。
この病は、平成30(2018)年に沖縄県で初確認され、その後、鹿児島、宮崎、熊本、福岡、長崎、高知、静岡、岐阜の計9県で確認されている。
苗床では、はじめに葉巻や葉の黄化が起こり、苗の基部が暗褐色~黒色になり、やがて種いもが腐敗する。
本ほ場での発病は、ほ場の一部で株が黄化し生育不良となり、株の地際部が暗褐色~黒色に変色する。被害が進行すると、茎葉の枯死や塊根の腐敗が起こる。
発病株には多数の胞子が形成され、雨水などで内部から胞子が漏出する。胞子は激しい風雨やほ場の停滞水で畝や畝間に沿って拡散し、周辺の株に感染が拡がるため、ほ場での排水対策を呼びかけている。
この菌の宿主植物は、ヒルガオ科植物で、罹病した塊根やつるで伝搬する。サツマイモの残渣で越冬し、それが翌年の伝染源となるため、発病した株(茎や塊茎)はほ場内や周辺に残さず速やかに抜き取り、適切に処分するよう促している。防除対策は次のとおり。
〈防除対策〉
○購入した苗は、苗消毒がなされているか確認し、消毒されていない場合はこの病に登録がある薬剤で苗を消毒する。
○発病株の除去前後には、周辺株への感染を防ぐため、銅剤(Zボルドーまたはジーファイン水和剤)やアミスター20フロアブルの散布を行う。
○採苗する場合は、腐敗などのない健全な種いもを使用し、この病が発生した苗床では採苗しない。
○苗の採取は株の地際部から5cm以上切り上げて行い、ベンレート水和剤またはベンレートT水和剤20を用いて、採苗当日に苗消毒を行う。なお、消毒液は必ず使用する当日に調製したものを使う。また、採苗時のハサミは、こまめに消毒する。
○この病が発生したほ場で使用した農機具や長靴、資材などを別ほ場で使用する場合は、消毒や洗浄を十分に行う。
○この病の発生ほ場では、連作を極力避け、他作物との輪作を行う。また、植付前には、ほ場の土壌消毒を実施する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(164)-食料・農業・農村基本計画(6)-2025年10月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(81)【防除学習帖】第320回2025年10月18日
-
農薬の正しい使い方(54)【今さら聞けない営農情報】第320回2025年10月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第114回2025年10月18日
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日