畜産農家で依然断水 能登半島地震被害 農水省2024年1月24日
農林水産省は1月23日、能登半島地震による農林水産関係被害状況を更新した。
石川県では、畜産農家で依然として断水が43件あり、施設損壊43件、損壊にともなう家畜被害が3件となっている。
道路損傷は22件で、うち農場への出入り不可が4件となっている。そのほか県の農業試験場と畜産試験場でガラス破損や堆肥舎の一部破損、畜産センターでの断水などの被害が出ている。農地は66か所、農業用施設515か所で被害が出ている。
新潟県ではJAの米倉庫など19か所で外壁ひび割れ、ラック破損、ガラス破損などのほか、米や大豆の倉庫での荷崩れ・一部破袋などの被害も出ている。農業用機械10台で被害、ハウス暖房機の燃料漏れ、農地17か所、農業用施設214か所で被害が出ている。
富山県では高設イチゴベンチの転倒、地面隆起、鶏舎の敷地内斜面崩落など。農地は86か所、農業用施設等1009か所の被害が出ている。
福井県では園芸用パイプハウス28棟でハウスの歪み、JAカントリーエレベーターの一部破損など。農地は11か所、農業用施設44か所で被害が出ている。
長野県では農地7か所、農業用施設6か所の被害。岐阜県でも農地2か所、農業用施設1か所の被害が出ている。
坂本哲志農相は21日に輪島市や珠洲市などの被害状況を現地で確認した。
農地では亀裂の入った世界農業遺産の白米千枚田の復旧について、石川県の馳知事から「地域コミュニティを維持するうえでもしっかりやっていただきたいとのことだった」として有識者など専門的な検討も含めて、「元の千枚田に早急に戻っていくように作業していきたい」と語った。
そのほか漁港の隆起など実態も視察、前例のない隆起だとして、被害全体に対し、専門的な知見のもとでの短期的な支援、中期的な復旧、長期的な創造的復興など「類型化しながら支援策の検討を進めていく」考えを示した。
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