第39回農業ジャーナリスト賞に5作品2024年5月15日
農政ジャーナリストの会は5月9日に第39回農業ジャーナリスト賞に5作品が選ばれたと発表した。
農政ジャーナリストの会は、前年(2023年1月~12月)に発表された農林水産業、食料問題や農山漁村の地域問題などに関する優れた功績を表彰している。
今回は新聞、書籍、映像部門から計14点の応募があり、選考委員会の審議で5作品が選ばれた。
【農業ジャーナリスト賞】
●「行商がつなぐもの~地方創生の未来とは~」(さくらんぼテレビジョン):舞台の山形県西川町は高齢化率47%。番組では鮮魚店経営者の行商の目を通して、地域産業の複業・多業化によるIターン受け入れ、人数より人材を重視した町の「つなぐ課関係人口係」など地に足のついた地方創生の取り組みを描く。
●「はじまりの魂、心に宿して~四国カルスト開拓民と孫の1年~」(NHK松山放送局):戦後開拓1代目の94歳の古老が都市生活に疲れて帰郷した孫にダイコン畑を引き継ぐ過程を丹念に描き、開拓者の辛苦とそれを支えた思い、祖父と孫の心情を伝える。家族農業を継承していく姿を1年かけて追った。
●「ハッピーヒル 自然農園 四季ものがたり」(NHK松山放送局):自然農法を提唱した福岡正信さんの再評価だけでなく、農園を受け継ぐ家族や弟子への継承を活写している。2年にわたり撮影を行い、豊かな自然・食・生き方とは何かを問う。ドローン撮影など映像が効果的なことも評価される。
●ドキュメンタリー映画「若者は山里をめざす」(原村政樹監督):埼玉県東秩父村に移住した3人の若者たちに3年以上密着したドキュメンタリー映画。山里の豊かさに魅せられ地域の人々を交流を重ねて成長していく姿を描く。移住した若者が山里にある資源を掘り起こし、その価値を継承していく意義を考えさせられる。
【特別賞】
●「農家の特報班(のうとく)」(日本農業新聞社):通信アプリ「LINE」を使って読者からの質問や情報提供をもとに取材する双方型の調査報道。農業現場の動きをいち早くとらえ、現場の声や困りごとを掘り起こすだけでなく、課題解決につながっている。シャインマスカットの開花異常をめぐる報道では、自然現象の変化を警告し国が全国調査や原因究明に向けた調査に乗り出した。
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