AI潅水施肥システム「ゼロアグリ」導入者 調査レポート公開2021年11月24日
AIによる潅水施肥のスマート化を目指すルートレック・ネットワークスは、自社製品でAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」の国内累計導入台数が300台を超えたことから、導入生産者を調査したレポートを公開した。
ゼロアグリ全国導入マップ
ゼロアグリは、環境センサー情報や気象情報を元に、作物にとって最適な潅水量と施肥量をAIが判断し自動で供給できるスマート農業機器。2015年に施設園芸のパイプハウス市場に向けて本格販売を始め、今年10月に導入台数が生産者と研究施設合計で300台に達したが、その技術普及は簡単ではなかった。調査レポートでは、実際に同サービスを利用する生産者による導入した効果やスマート農業機器に関する課題をヒアリングし、今後のスマート農業機器の普及に活用されることを目的に公開された。
スマート農業の利用ユーザー層について
アンケートに回答した50人の年齢分布は、約50%を20代、30代の生産者が占めている。国内の農業従事者の69%を65歳以上が占める一方で、60歳以上のゼロアグリ利用ユーザーの割合は12%であることから、国内の大半を占める高齢者へのスマート農業の普及のハードルは高いと考えられる。今後、スマート農業機器を国内で普及するためには、若年層の生産者の増収と規模拡大をサポートするような仕組みだけでなく、高齢者でも使いやすく必要とされる機能の開発等が求められる。
農作業の自動化について
ゼロアグリを導入する生産者のうち、90%近くが省力化(時短)効果を実感。AIを活用した自動潅水のタイミングについても、90%の生産者が良好と回答した。一方、例えば猛暑日での直ぐに潅水を実施したい状況で、設定がすぐに反映されず、実際の潅水までタイムラグが発生してしまうなどの課題も見られた。経験と勘を生かしたアナログな運用とデジタルによる自動化のバランスがハイブリッド的に、かつシームレスに実装されることが、生産者にとってメリットのあるスマート農業機器活用につながると考察される。
スマート農業機器の導入効果について
ゼロアグリ導入により、88%の生産者が時間的余裕、76%の生産者が品質向上、72%の生産者が収量向上につながったと回答。また、時間的余裕ができた生産者の90%以上は、余裕ができた時間を作物の管理や他ほ場の栽培に使っていることがわかった。スマート農業機器の活用により、収益の最大化を達成するための生産者の時間的リソースの最適化が可能となることが証明された。
今後の課題
レポートの結果からゼロアグリの今後の改善点や要望として、地上部の環境制御機器や栽培管理システムとの連動について、多く声が上がった。各システムをそれぞれ操作するのではなく、1つの画面上で管理できることで、更なる管理効率の向上が可能となる。
また、部品等のハードウェアの故障の際のサポートや、部品代のコスト削減など、メンテナンスに関する要望も多かった。作物の成長にとって潅水施肥は重要で、1日でも機器が止まってしまうと栽培に多大なる影響が出る。日々の作物の栽培管理に忙しい生産者が、安心してスマート農業機器を使えるようなサポート体制やサービスを、メーカー側が考え、準備していくことが重要であることが改めて明らかになった。
同レポートは9月17日~10月25日、潅水施肥作業における「導入効果」、「製品評価」、「改善要望」の内容でゼロアグリユーザー267人に対しアンケートを実施。有効回答数は50件。
ゼロアグリ導入による品質と収量への影響
重要な記事
最新の記事
-
チョットで済まない「チャットGPT」【小松泰信・地方の眼力】2025年11月26日 -
鴨川メガソーラー問題 「谷埋め盛土」に崩落の恐れ 専門家が学習会で指摘2025年11月26日 -
【TAC・出向く活動パワーアップ大会2025】部門間連携で担い手支援 JA部門全農会長賞 JA秋田なまはげ2025年11月26日 -
甘味資源作物は食料安保の基幹 生産意欲持てる対策を 主産道県が集会2025年11月26日 -
鹿児島黒牛、安納芋、うなぎ 鹿児島の味「ふるさと便」で販売中 JAタウン2025年11月26日 -
愛媛県産オリジナル品種かんきつ「紅まどんな」販売中 JAタウン2025年11月26日 -
ルーマニアで戦う卓球日本代表選手を「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年11月26日 -
「岐阜県産 和牛とお米のフェア」12月1日から開催 JA全農2025年11月26日 -
株式会社ISEKI M&D(松山)周辺の清掃活動行う 井関農機2025年11月26日 -
COP30で気候変動と持続可能な農業に関する共同声明を発表 井関農機2025年11月26日 -
レベニューシェア方式で「ミニ白菜」静岡で販売 農業総研2025年11月26日 -
AIとICP分析の融合による次世代型土壌診断技術を開発 国際農研2025年11月26日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年11月26日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年11月26日 -
愛媛・宇和島 CORLEO FARM産「コル'マドンナ」のケーキを販売 カフェコムサ2025年11月26日 -
邑久町漁協と「第6回産直会議」環境省「自然共生サイト」日本最大級の登録申請を確認 パルシステム2025年11月26日 -
北海道オホーツクの農作物をSAF原料に活用 中高校生向け探究学習プログラム実施 東京農業大学2025年11月26日 -
日本生協連「UCDAアワード2025」企業総合賞と専門家賞2商品を同時受賞2025年11月26日 -
長野県に「コメリハード&グリーン真田店」12月10日に新規開店2025年11月26日 -
足立区から感謝状 国際協同組合年に美しく安全な街づくり パルシステム東京2025年11月26日


































