JASに「プロバイオポニックス技術による養液栽培の農産物」の新設 旭化成2022年3月2日
有機質肥料活用型養液栽培研究会と旭化成は、農研機構が開発した有機質肥料活用型養液栽培(プロバイオポニックス栽培)技術の社会実装を目指して日本農林規格(JAS)新設の申出を行った。これを受けて2月24日、農林水産省から「プロバイオポニックス技術による養液栽培の農産物」JASが公示され、特色あるJASを表す「特色JASマーク」も制定された。
制定された特色JASマーク
プロバイオポニックス栽培は、農産物の生産に必要な窒素源を、生物由来の有機物である資源 「バイオマス」から得る養液栽培方法で、未利用資源の活用による環境負荷低減が期待されている。
今回の特色JASマーク制定により、消費者におけるプロバイオポニックス栽培の認知度向上とエシカル消費行動の促進が期待される。また、旭化成はプロバイオポニックス栽培の社会実装を目指しており、誰でも取り組みやすい栽培方法となるシステムの開発にも成功。農産物の高付加価値化を通じて、プロバイオポニックス栽培に取り組む生産者を支援する。
プロバイオポニックス栽培
植物の生長に窒素は欠かせない。土壌では、糞などのバイオマスは従属栄養微生物による「アンモニア化成」と硝酸菌による「硝酸化成」の2段階の分解を経て硝酸態窒素まで分解され、植物が吸収できるようになる。一方、水中では、バイオマス中の有機物に触れると硝酸菌が不活性化されるため、1段階目のアンモニア化成で分解が止まる。この状態では、根が傷害を受け、植物の生育が悪化、または枯死してしまうため、水耕栽培などの土壌を使わない「養液栽培」では、バイオマスを用いた栽培が難しいとされてきた。
この問題に対して農研機構は、従属栄養微生物とともに、硝化菌が耐えられる濃度のバイオマスを与える"馴化(じゅんか)培養"という手法を試みたところ、水中でもアンモニア化成および硝酸化成が同時並行的に進むことを確認した。
これを養液栽培に応用し、「有機質肥料活用型養液栽培」と命名。その後、同研究会と旭化成とでJAS新設の申出を行うにあたり、この栽培方法を「プロバイオポニックス栽培」と改名した。プロバイオポニックスは、「プロバイオティクス(人体に良い影響を与える菌、または、それらを含む食品)」と「ハイドロポニックス(水耕栽培、養液栽培)」を掛け合わせた造語となる。
重要な記事
最新の記事
-
果樹産地消滅の恐れ 農家が20年で半減 担い手確保が急務 審議会で議論スタート2024年10月23日
-
【注意報】野菜、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年10月23日
-
【クローズアップ】数字で見る米③ 委託販売と共同計算2024年10月23日
-
【クローズアップ】数字で見る米④ 委託販売と共同計算2024年10月23日
-
千葉県で高病原性鳥インフルエンザ 今シーズン国内2例目2024年10月23日
-
能登を救わずして地方創生なし 【小松泰信・地方の眼力】2024年10月23日
-
森から生まれた収益、森づくりに還元 J‐クレジット活用のリース、JA三井リース九州が第1号案件の契約交わす2024年10月23日
-
食品関連企業の海外展開に関するセミナー開催 関西発の取組を紹介 農水省2024年10月23日
-
ヒガシマル醤油「鍋つゆ」2本付き「はくさい鍋野菜セット」予約販売開始 JA全農兵庫2024年10月23日
-
JAタウン「サンゴ礁の島『喜界島』旅気分キャンペーン」開催2024年10月23日
-
明大菊池ゼミ・同志社大上田ゼミと合同でマーケ施策プロジェクト始動 マルトモ2024年10月23日
-
イネいもち病菌はポリアミンの産生を通じて放線菌の増殖を促進 東京理科大2024年10月23日
-
新米「あきたこまち」入り「なまはげ米袋」新発売 秋田県潟上市2024年10月23日
-
「持続可能な農泊モデル地域」創出へ 5つの農泊地域をモデル地域に選定 JTB総合研究所2024年10月23日
-
「BIOFACH JAPAN 2024」に出展 日本有機加工食品コンソーシアム2024年10月23日
-
廃棄摘果りんご100%使用「テキカカアップルソーダ」ホップテイスト新登場 もりやま園2024年10月23日
-
「温室効果ガス削減」「生物多様性保全」対応米に見える化ラベル表示開始 神明2024年10月23日
-
【人事異動】クボタ(11月1日付)2024年10月23日
-
店舗・宅配ともに前年超え 9月度供給高速報 日本生協連2024年10月23日
-
筑波大発スタートアップのエンドファイト シードラウンドで約1.5億円を資金調達2024年10月23日