タマネギべと病 県内全域で発生 山口県2022年3月16日
山口県病害虫防除所は、タマネギべと病の発生を県内全域で確認。これを受け、3月15日に病害虫発生予察注意報第4号を発令した。
タマネギべと病の越年り病株(写真提供:山口県病害虫防除所)
3月9~11日に実施した県内一斉調査(152ほ場)の結果、1アール当たりの越年り病株の発生ほ場率20.4%(平年9.5%)。また、1アール当たりの越年り病株数6.5株(平年1.6株)で、平年に比べやや多く、今後、同病の発生が拡大する恐れがある。3月10日に福岡管区気象台より発表された1か月予報では、向こう1か月の気温は高く、降水量はほぼ平年並で、同病の発生を助長する可能性がある。
越年り病株の葉上に形成された分生胞子(写真提供:山口県病害虫防除所)
防除方法は、次の通り。
(1)越年り病株(写真1、2)は、だらだらと連続して発生するため、複数回ほ場を見回り、出来るだけ早く抜き取る。また、抜き取り後は、ほ場外へ持ち出し適正に処分する。
(2)越年り病株および二次感染株(写真3、4)が認められた場合は、直ちに治療効果のある薬剤(殺菌剤コード4、11、40等)を散布する。
(3)現在、越年り病株の発生が認められないほ場は、マンゼブ剤(殺菌剤コードM03)、フルアジナム水和剤(殺菌剤コード29)等の保護殺菌剤で、7~10日間隔で定期的な予防防除を実施する。
(4)畝間に滞水しないよう、排水対策を徹底する。
タマネギべと病の二次感染株と二次感染株の病斑(写真提供:山口県病害虫防除所)
また、同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同病に登録のある薬剤は混合剤が多いことから、同一成分の使用回数を超えないよう、必ず一般名の成分、殺菌剤コード及び散布記録を確認してから使用する。
〇水和剤を散布する場合は、薬剤の付着をよくするため、必ず展着剤を加用する。
〇薬剤防除を行う場合は、周辺の作物に飛散させない。
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