ブドウ・ミカン施設栽培用「天敵を主体とした果樹のハダニ類防除体系標準作業手順書」公開 農研機構2022年9月15日
農研機構を代表機関とする農「食事業28022Cコンソーシアム」は、果樹の難防除害虫ハダニについて、ブドウとミカンの施設栽培で利用可能な天敵を主体とした新規で実用的な防除体系(<w天(ダブてん)>防除体系)を確立。農研機構は9月14日、同防除体系の普及を進めるため、標準作業手順書(SOP)を作成し、ウェブサイトで公開した。
<w天>防除体系を構成する4つのステップ
高温乾燥条件下で多発しやすいハダニは、施設栽培でとりわけ防除が難しく、持続性や労力軽減の観点から新しい防除技術が求められてきた。<w天>防除体系のフレームワークは施設栽培にも応用でき、ハウスブドウとハウスミカンでモデル体系が作られている。
ハダニは増殖が早く、化学合成農薬(殺ダニ剤)に対して薬剤抵抗性を発達させやすいため、多くの産地で防除効果を補完する農薬の追加散布が常態化。新規薬剤が唯一の頼りになるが、その開発スピードがハダニの薬剤抵抗性発達のスピードに間に合わなくなることが懸念される。持続的な果樹生産に向け、「殺ダニ剤だけに依存しない実用的な害虫管理体系への転換」が望まれている。そこで、同コンソーシアムは、ハダニの有力な天敵であるカブリダニに着目。"果樹園に自然に生息する土着のカブリダニ"と"製剤化されたカブリダニ"の長所を最大限に活かすことで、殺ダニ剤への依存を大幅に減らした新しいハダニ防除体系(<w天>防除体系)を確立した。
<w天>防除体系の標準作業手順書
この体系を現場に導入するための説明書として、これまでに作成した露地栽培向けのSOPとして「基礎・資料編」「リンゴ編」「ナシ編」の3編に続き、新たに「施設編」としてハウスブドウとハウスミカン栽培を対象とした<w天>防除体系のSOPを作成した。
同SOPは、殺ダニ剤による防除が困難な産地での<w天>防除体系のスムーズな導入を可能にするとともに、現状では薬剤防除に問題がない産地でも<w天>防除体系のさらなる普及を促進。殺ダニ剤の使用頻度の抑制とその持続的利用を可能にするとともに、果樹の生産力の向上と環境負荷低減の両立に貢献する。
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