JAの活動:シリーズ
【農協時論】『家の光』創刊100周年 協同精神は永遠 心耕す使命確信(一社)家の光協会会長 栗原 隆政氏2025年5月28日
「農協時論」は新たな社会と日本農業を切り拓いていくため「いま何を考えなければならいのか」を生産現場で働く方々や農協のトップなどに、胸の内に滾る熱い想いを書いてもらっている。JA鳥取県中央会会長で一般社団法人家の光協会会長の栗原隆政氏に寄稿してもらった。
(一社)家の光協会会長 栗原 隆政氏
本年5月号をもって『家の光』が創刊100周年を迎えることができました。先人の皆様はもとより愛読者の皆様ならびにJAグループの役職員の皆様に、衷心より深く感謝申し上げます。
産業組合中央会会頭の志村源太郎は、創刊の言葉で「本誌の目的は、この共同心の泉を家庭に於て涵養せんとするに存する」とし、「家庭」と「協同」をキーワードに相互扶助あふれる農村社会の実現を願いました。以来一世紀をこえ、日本社会・農村家族の激動の中にあって農業協同組合運動の道標・糧として貢献してきました。
『家の光』の使命は、単なる家庭雑誌ではなく組合員・役職員教育の面からも重要な役割をもっており、組合員を協同組合に結集するという重要な任務を担ってきました。しかし、それが時代の変化とともに徐々に薄れている現状を思うと、今こそ原点に立ち返るしかないと思います。社会環境・生活様式等がいくら変化しようとも、協同の精神とその心は永遠に不滅であり変化するものではなく、生活の豊かさなどに惑わされてはなりません。人間の営みは協同して生きていくことが大切であり、個人主義や新自由主義では長続きはしないのではないでしょうか。
現在、世界では戦争や紛争が頻発し、格差と分断等が発生しています。そのなかで、国連は協同組合の理念と精神を再評価し、異例とも言える2025年を2度目の国際協同組合年として決議しました。我々としても協同組合が果たしている社会貢献などの公益的役割の発信のみならず、この機会を捉えその意味をよく理解し、危機感をもって、改めて協同の原点に帰る必要があります。自分さえ良ければよい、困った時だけ頼りにする、利用するでは協同組合は成り立ちません。やはりいくら一般の企業であっても、自らの事だけでなく相手(顧客)の立場に立って思考・判断しないと繁栄(長続き)はないと確信するものです。
一方、組合員・職員が減少する中にあって、『家の光』の正組合員戸数普及率も30年前と比べ約10%まで半減しています。その事は、組合員への教育の希薄化につながっていると思えるのは無理があるでしょうか? 近年、『ちゃぐりん』を小学校へ配布するJAが、全国的に増加しており、そのことで将来を担う子どもたちの成長によい影響を与える事ができればと思います。
いろいろと述べましたが、原点に立ち返ることのひとつの案として、創刊当時の組合員の結集につながる様な記事を復刻版で再掲してはどうでしょうか。今回家の光協会では、創刊100周年を迎え改めて「わたしたちの役割」を策定しました。わたしたちが耕すのは土だけではなく心を耕すことでもあり、家族や仲間・地域との協同を大切にしながら、文化を育みくらしを豊かにするもので、本会は「協同の心で、くらしを耕す」をすすめてまいります。
今後、組合員の結集力を高めるには、教育(協同の心)のみならず発信と対話(接点づくり)が重要です。事業をすすめるためにPDCAサイクルを回すことは必要なことですが、私は"PDDCA"と認識しています。要するにDには二つの意味があり、一つはご承知の通り「実行する」ですが、それで仕事が完了するならば自己満足にすぎません。もう一つのDはディスパッチ=(情報)発信であり、更に発信することで仕事は完了するものではないでしょうか。
組織基盤強化に向けては、組合員・地域住民との接点づくりとして対話・会話がまず必要です。本会では、そのツールとなる魅力的な体験型動画プログラムを多数用意し、JA内でいつでも・どこでも気軽に生活文化教室や教育・教養講座を開催できる「JAサテライト プラス」を来年度から開始します。この新事業は必ずやJAグループの組織基盤強化に貢献できるものと確信しています。
過去において幾度となく発生した大災害を、お互い助け合って乗り越えてきた協同の力を決して忘れてはなりません。協同組合運動は永遠に不滅です。
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