【今川直人・農協の核心】全中再興(2)2025年7月14日
実質的な指導・調整
農協の制度上の、いわば形式的な指導機関としての全中は2015年農協法改正で役割を終えた。行政の指導を代置することができた60年の間、中央会の指導は価格要求や農産物輸入拡大阻止など慣例的に事業範囲とされた活動では指導力を発揮した。しかし、指導となると、定型的な監査や書き物や会議体など表層的なものが中心で、重要な課題に主体的な判断を下すことはなかったといってよい。
現在、制度上の指導権を失って、実質的な指導の必要性が浮き彫りになっている。「実質的」とは強制力が組織で合意されているという意味である。
簡明な基本姿勢と役割
実質的指導の主要課題を本欄は「農協事業支援」・「農業政策導入促進」・「国益増進」の三分野として稿を進める。各分野の概略は以下の通りであるが、本欄の立脚点を明らかにするため「地域主義」について本欄の見解を記す。
農協法は目的を「協同組織の発達」を通して「農業生産力の増進及び農業者の経済的社会的地位の向上」を図ることとしている。前者が法の、後者が農協の目的を示すと解釈できる。
一社全中定款の第1条「目的」は「この会は、農業振興と豊かな地域社会の構築の実現に向け」と、農業振興と地域社会の構築を併置している。農協法の「附帯事業」の表記は「前各号の事業に附帯する事業」となっているが、全中定款は「この会の目的を達成するために必要な事業」である。全中定款は農協法の目的にも事業にもない『地域貢献』を目的・事業に表記している。事協を規制する中小企業等協同組合法にも生協法にも地域貢献の発想はない。企業の社会性は営利性を追求する中で滲み出る。「豊かな地域社会」を望まないものはないが、農協の場合は長い論争の歴史から、別の思惑を観取される。信用・共済事業には適正で実効的な支援を強め、農業振興に邁進する姿勢を組織は全中に求めている。
第一は事業支援
本欄で指摘したように直近2回のセンサスに示された農協シェアは前回比1.0%、1.9%減であった。この減少を農協以外の集出荷団体がすべて吸収している。来春公表の25年結果が待たれる。
これについては極めて憂慮される行政の意思表示があった。これも2003年の農水省「農協の在り方研究会」報告の「行政との関係等」以下の記述(要点下記)である。
「行政と民間の経済主体である農協系統が安易な相互依存とならないよう、役割を明確に区分する/農協系統と農協以外の生産者団体とのイコ ール・フッティングを確保する/補助金等の交付要件は、JAとJA以外の生産者団体を同等とすることを徹底する」
項の冒頭に「これまで行政は、農協系統と連携して農政を推進し、それなりに成果を上げてきた」とある。その上で言わずもがなの「農協以外の生産者団体とのイコ ール・フッティング」を繰り返している。理解に苦しむ。農協の現今の政策対応は活用7割、学習2割、要請1割を原則とすべきである。施策の積極的導入はコア組合員の農協への結集を強める。また、補助金や融資制度はともかく、プロパー資金を農協事業に配慮して運用するのは当然である。
中央会・全中の実質的指導の第一は「農協事業支援」である。
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