【肉とビールと箸休め ドイツ食農紀行】ドイツ人と白ご飯2025年12月4日
ドイツだけでなく、ヨーロッパのほぼすべての国ではパンが主食です。イタリアにはパスタ、スペインには炊き込みご飯であるパエリアなどもありますが、やはりそれらの国でも、主に食卓に並べられる主食はパンです。そんなドイツにおける、コメ食の現状について紹介したいと思います。
MilchrReis(牛乳ご飯)。シナモン入り、チョコ味などもある。
ドイツ式牛乳がゆ ミルヒライスは甘~いデザート
ここ数年、ヨーロッパでコメ食文化が拡大しているという報道をちらほら目にします。実際に、ドイツ人、とくに食に対して好奇心が旺盛な若者に話を聞くと、日本食=ヘルシー、日本食=コメ、コメ=ヘルシーという三段論法で、コメ食すなわち健康的というイメージから、好意的に捉えている人が多いように感じます。ただ、だからと言って、コメ食が文化して普及しているかどうかと問われると、当たらずとも遠からずという印象を持ちます。
ドイツの食卓には1日3食パンが並びます。あわせてパスタやピザも一般的です。その一方、同じ伝統的なイタリア料理であるはずのコメを使ったリゾットは、町中であまり見かけません。イタリアンレストランですらメニューに載って無いことも珍しくありません。それだけ、ドイツ人にとって歴史的にコメ食は、縁遠いものだったのだと推測できます。
そんなドイツで、もっとも家庭的で一般的なコメ料理の一つがMirch Reis(ミルヒライス)、直訳すると「牛乳ご飯」です。
日本にも、幼児の離乳食などにも使われる、コメを牛乳で炊いたミルクがゆがあります。ミルヒライスは、それと同じくたっぷりの牛乳でコメを炊きますが、ここに砂糖やシナモンをまぜて甘く仕上げるのが特徴です。しかしこれは、主食というより、どちらかというと子ども向けのデザートで、プリンやゼリーみたいな感覚で食べられているように感じます。
チョコ味のミルヒライス。日本人は、言われなければ、ご飯が入っているとは思わないだろう。
スシは日本食?
さて、そんなドイツで、甘くなく、おかゆでもない、いわゆる普通のコメ食の普及に一役買っているのは、間違いなくスシでしょう。
いまでは、都市部はもちろんのこと、地方の片田舎に行っても、スシを提供する飲食店を探すのに苦労しません。
7年前、私がドイツへ移住してきて初めて住んだ場所は、南ドイツの人口3000人程度の非常に小さな村でした。私が働いていたのは近隣の町村では唯一のジャパニーズレストラン(日本食飲食店)で、私の知る限り、半径15Km圏内にスシを出す店はありませんでした。しかしいまでは、同じ村内に別の和食店、隣町には日本式の居酒屋などが乱立し、競争は激化の一途をたどっています。
スーパーのお寿司コーナー。とにかくカラフル。ほぼすべて巻きもので、丼ものも少し置いてある。
ただ、一昔前までジャパニーズレストランの専売特許であったスシですが、いまでは総合的なアジア食の一つとして見られているフシがあり、ベトナム人や中国人の経営するレストランでも、スシを出す店が一般的になってきました。
そうしたお店では、おおよそ日本人的感覚のスシからはほど遠い、スシを重ねたスシタワー、色とりどりに着色されたトビッコで彩られた極彩色のカラフルスシなども人気があるようです。
そうしたスシに慣れたヨーロッパの方が、ウチのような日本人が経営している純日本食店を訪れ、一汁三菜と白ご飯の定食などを注文すると、やはりどうしても、ただの白ご飯が食べにくいようです。みそ汁にご飯を入れて猫まんまにしたり、ご飯茶碗にてりやきソースや醤油をどばどば入れて、そのまま飲むように流し込んだり、または海鮮丼を注文したのに、お刺身だけ食べて、白ご飯はほとんど手付かずというパターンも珍しくありません。
こうしたヨーロッパ人のお客さんの白ご飯の食べ方を見ていると、やはりまだまだコメ食が普及しつつあると考えるのは、時期尚早ではないかなと思う次第です。
(南ドイツ在住料理人・丸島正成)
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