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農薬:サステナ防除のすすめ2025

【サステナ防除のすすめ】スマート農業の活用法(上) 効率化、省力化を賢く2025年12月4日

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2025年4月に制定された食料・農業・農村基本計画(以降、基本計画)は、世界の食料需給はひっ迫状況に向かっており、増え続ける食料需要の増加に対応するためにも収量や品質の向上など農業生産性を上げていくことが急務であるとしている。基本計画では農業生産性の向上を実現するための方策の一つとして、スマート農業の活用とより優れた新技術の開発に力を注ぐとしている。そこで、サステナ防除としては、現段階で既に実用化されているスマート農業技術を整理し、その活用法や使用する際の課題などをひも解いてみようと考えている。

規模拡大にマッチ

スマート農業とは

すっかり「農業ICT」や「スマート農業」といった言葉が市民権を得て、あちこちで普通に使われるようになったが、スマート農業の活用を考える前に、スマート農業の定義を理解しておきたい。

最初の「農業ICT」とは農業で活用する情報通信技術のことをいい、「ICT(Information and Communication Technologyの略:情報通信技術の意味)と合わせて農業で使用される通信技術や情報処理、産業やサービスなどの総称である。

一方の「スマート農業」の定義は、「ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする新たな農業」(農林水産省)ということである。このスマート農業のスマートの意味は、英語の「smart」のことで、一般には真っ先に「やせている」や「華麗な」という意味を思い浮かべるが、スマート農業のスマートは「賢い、ハイテクな、精密な、高感度な、機敏に」という意味を持っている。

つまり、「スマート農業」は、ICTやロボット、AI(人工知能)などをフルに活用し、効率良く、高い技術力で、省力的に農作業を行う、次世代の農業の形を示しているということになる。

そのスマート農業を活用するメリットは三つあるといわれている。

まず一つ目が、「農作業の省力化・労力軽減が図られること」である。

これまで農業者の知恵と労力と経験に頼っていた農作業を全自動トラクター、全自動飛行ドローン、可変式施肥機といった最先端の機器が肩代わりすることで、農作業の軽労化、作業の効率性を高めることができる。

二つ目は、「匠(たくみ)の技の伝承に一役買うこと」である。

経験と努力に裏打ちされた「農業の匠」の優れた技術・知恵の伝承に役立つ。農業の技術は、一朝一夕で身に付くものではなく、多くの場合先輩でもある親に教わりながら、一緒に作業し経験を積むことで伝承されてきた。しかし、後継者がいる農家が半分にも満たない現状では、せっかくの優れた技術が伝承されないまま失われてしまう可能性が高くなっている。こんな時、最新のICT技術で匠の技をデータ化して記録し、いつでもそのデータを活用できたり、また匠の技をロボット農機が再現できるようになれば、農の匠の技が伝承されていくようになるだろう。農業における貴重な財産である匠の技をしっかりと残してほしいものだ。

三つ目が「農業生産振興に役立つこと」である。

現在の農業は、就農人口の減少と耕作放棄地の増加に頭を悩ましている。このまま農家が減少し続ければ、今の耕地面積を維持するためには、10年後には農業の担い手一人当たりの耕作面積を今の2・4倍に増やさなければならないとの試算もある。現在頑張っている農業担い手でも、既に手いっぱいでこれ以上経営規模は増やせないと訴える担い手も少なくない。そんな時、農家の手足として農作業を正確に効率よくこなすことができる農業機械があれば、経営面積を増やし、生産量を増やすことができるようになるだろう。

このように、スマート農業は今後の日本農業を維持・発展させるために欠かすことのできないものであるが、まだ「こういうスマート農業技術があれば、こういう未来になるだろう」という発展途上の「タラレバ」の技術も多いので、さらにスマート農業技術が進歩・発展し、いろいろな農業場面で根付いていくまでにはまだ時間がかかるとみられている。

とはいえ、今ある技術で農作業を効率化できるものがあれば積極的に取り入れて、農業生産性を向上してほしいものだ。

融資や手続き支援

促進法の活用

「スマート農業技術活用促進法」とは、正式には「農業の生産性の向上のためのスマート農業技術の活用の促進に関する法律」といい、農業者の減少等の農業を取り巻く環境の変化に対応して、農業の生産性の向上を図るため、①生産方式革新実施計画(スマート農業技術の活用及びこれと併せて行う農産物の新たな生産の方式の導入に関する計画)と②開発供給実施計画(スマート農業技術等の開発及びその成果の普及に関する計画)を国に申請し、認定を受けると日本政策金融公庫の長期低利融資を受けられたり、行政手続きの簡素化などで国の支援を受けたりすることができる。直接的な補助金が提供されるわけではないが、新技術の導入に当たっては活用の価値があるので検討してみてはどうだろうか。

以下に認定申請ができる対象の事業者とそれぞれのメリットを整理した。

【表】スマート農業技術活用促進法のメリットと対象事業体

【表】スマート農業技術活用促進法のメリットと対象事業体.jpg

防除に関するもの

スマート農業技術活用促進法が定める二つの事業で防除に関するもの、活用内容は以下のとおりである。防除に関しては、自動草刈り技術や自動農薬散布機の活用や開発が主体であるが、促進法では、草刈り機や農薬散布機の開発・改良に加え、それらを活用しやすいよう、ほ場の形状を整えることも対象にしている。

1.生産方式革新実施計画

(1)作物の生育状況診断に基づくドローンによる適期防除

衛星画像等から生育状況を診断するサービスを利用し、適期に防除を行うことで品質・収量の向上を目指す。

(2)リモコン草刈り機による除草

緩傾斜化された水田けいはんや果樹園の下草などリモコン草刈り機の導入により草刈り作業を大幅に軽労化する。

(3)農薬散布ロボットの導入

農薬散布ロボットが効率よく走行できるよう、ほ場の形状を整えて農薬散布作業を大幅に軽労化する。

(4)自動水位管理装置の導入

抑草が可能な水田の水管理を自動化する装置を導入し、水田除草の労力を軽減する。

2.開発供給実施計画

(1)自動飛行ドローンの開発・改良

自動飛行ドローンを開発・改良し、自動で効率的省力的かつ正確に農薬散布を実施し、防除作業の重労働を大幅に軽減する。

(2)自立走行型除草機の開発・改良

除草作業の軽労化をより促進するため、自立走行型除草機を改良し自立走行できる農地の範囲を拡大する。

(3)自立走行できる農薬散布機の開発・改良

自立走行できる農薬散布機(管理機やスピードスプレーヤー等)を開発・改良し、農薬散布の重労働を解消できる作物・農地の範囲を拡大する。

次回は、これらのスマート農業技術の中からドローンを取り上げ、現在の技術の状況と活用や導入のポイントや課題を整理してみようと思う。(12月中旬頃掲載予定)

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