【特殊報】カキ等の果樹にチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 岐阜県2025年12月4日
岐阜県病害虫防除所は、カキ等の果樹および樹木類にチュウゴクアミガサハゴロモを県内で初めて確認。これを受けて、12月3日に令和7年度病害虫発生予察特殊報第1号を発表した。
左から、写真1:カンキツ(レモン)に寄生する成虫と幼虫、
写真2:ゲッケイジュに寄生する成虫、
写真3:産卵痕(カキの枝)(提供:岐阜県病害虫防除所)
岐阜県病害虫防除所によると、10月に岐阜地域のカキほ場(1ほ場)で、カキの枝にハゴロモ類の成虫の寄生を確認した。周辺の果樹類や樹木類を観察したところ、カンキツ(レモン)やゲッケイジュに成虫、幼虫および枝に特徴的な産卵痕を確認(写真1、2、3)。採集した個体の同定を農林水産省名古屋植物防疫所に依頼し、チュウゴクアミガサハゴロモと確認された。
同種は中国を原産地としており、韓国、トルコ、フランス、ドイツ、イタリアなどでの分布の報告がある。国内では、26都府県(11月25日現在)において発生予察特殊報が発表されている。
成虫は、翅端までの体長が14~16mm、前翅長14mm程度で、前翅は茶褐色から鉄さび色を呈し、前翅前縁中央部に三角形の白斑が存在する。幼虫は白色で、腹部から白い糸状の蝋物質の毛束を広げる(写真4)。また、虫体の背面に小黒点があり翅芽は褐色。
写真4:幼虫(提供:岐阜県病害虫防除所)
成虫・幼虫ともに枝を吸汁加害し、発生が多いと排泄物によるすす病が発生する。
寄主植物の樹皮を剥いで多数の卵を規則正しく配列された状態で産み付けるため(写真5)、枝の組織を損傷する。産卵痕は白色で毛状の蝋物質で被覆される。
写真5:チュウゴクアミガサハゴロモの卵。人為的に樹皮を除去した状態(提供:岐阜県病害虫防除所)
同種は広食性で、カバノキ科、クワ科、ブナ科、マメ科、モクセイ科、ツバキ科、バラ科、ツツジ科等の様々な植物に寄生する。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇11月末現在、チュウゴクアミガサハゴロモに対して登録のある農薬はない。成虫や幼虫は捕殺し、産卵された枝を見つけた場合は、切除してビニル袋に密封するか土中に埋却するなど、適切に処分する。
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