【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2025年7月14日
鳥取県病害虫防除所は、イネにイネカメムシが県内全域で多発のおそれがあるとして、7月11日に令和7年度病害虫発生予察注意報第1号を発表した。
写真1:イネカメムシ成虫(体長約13mm)と写真2:極早生品種ほ場に飛来したイネカメムシ
(提供:西部農業改良普及所、令和7年7月)
鳥取県病害虫防除所によると、7月3~9日、病害虫防除所の中間地~平坦地の巡回調査定点11地区の幼穂形成期~出穂直前の水田(主に極早生及び早生品種)においてイネカメムシの見取り調査を実施。その結果、複数地区で同種の発生を確認した(調査地区数:東部3、中部3、西部5、イネカメムシ確認地区:東部1、中部1、西部4)。発生が多いほ場では、25往復50回振りすくい
取りにおいて平均虫数が40頭を超えている。
写真3:イネカメムシの加害による不稔穂(令和5年)と写真4:イネカメムシの加害による基部斑点米(令和6年)(提供:鳥取県病害虫防除所)
2024年にイネカメムシが発生した地域を中心に、幼穂形成期~出穂直前の水田へのイネカメムシの飛来が確認されている。また、粘着板によるトラップ調査においても、複数地点の水田(幼穂形成期~出穂間近)で同種の捕獲が確認されている。
7月10日に発表された向こう1か月の気象予報によると、気温は高い予想。今後もイネカメムシの活動と増殖に好適な条件が継続すると予想される。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)イネカメムシは、他の斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ、クモヘリカメムシなど)と異なり、イネ科雑草に寄生する個体数は少なく、雑草管理では発生密度を低減できない。そのため、水和剤もしくは粉剤による本田防除を徹底する。
(2)発生が多い地域では、出穂期~出穂直後(不稔対策)及び穂揃い期~乳熟初期(1回目の7~10日後)(斑点米対策)の2回防除を行う。特に昨年被害が発生した多発地域では、出穂期にイネカメムシによる集中加害を受けると、著しい不稔が発生することから、減収防止のために出穂期の防除を徹底する。
(3)未確認地域、少発生地域では、出穂前後の慣行防除の徹底により、発生地域拡大と地域全体の発生量増加を防ぐ。
(4)周辺より出穂が極端に早い、または遅いほ場では、同種の飛来が集中するため、このような条件のほ場では発生状況を注意深く観察し、発生が確認された場合は防除を徹底する。
(5)薬剤散布にあたっては、農薬使用基準を遵守するとともに、蜜蜂被害軽減対策などに注意する。
表:イネカメムシに対する主な防除薬剤
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