農業AIエージェントサービス「V-farmers」実証開始 日本総合研究所2025年9月30日
日本総合研究所、JSOL、みらい共創ファーム秋田(MKFA)の者は、農業AIエージェントサービス「V-farmers」の経営管理サービスと栽培支援サービスについて、タマネギを対象とした実証実験を9月から1年間、秋田県・大潟村で実施。V-farmersを活用することによる、農業法人経営者の経営管理業務の生産性向上および農作業従事者のスキル習得・作業効率向上への寄与について検証する。
「V-farmers」イメージ図
「V-farmers」は、栽培から経営管理まで多種多様なデータを統合し、農業現場に関連する業務を幅広く支援する農業AIエージェント。従来はアナログで管理していた作業マニュアルや日誌、受発注書などのほか、温度や湿度、土壌のセンシングデータといった散在するデータを一元管理し、農業経営と農業生産の効率化と高度化を実現する。
また、作業計画・在庫管理・病害リスク分析などの業務はサポート・代行することで大幅な効率化を図り、新規就農者でも早期に安定した収穫量を確保できるよう支援する。
農業就業者が急激に減少し、食料安全保障のリスクともなるなか、労働力不足に加え、仕事として主に自営農業に従事する「基幹的農業従事者」の2024年時点の平均年齢が69.2歳になるなど、ベテラン農業者の知見・ノウハウの断絶も懸念されている。
将来にわたって農業生産を安定的に維持するには、ベテラン農業者の知見・ノウハウを次世代に伝承するとともに、離農者の農地を集積して従来よりも規模を拡大した上で、少ない人数で効率的に営農することによる、「儲かる農業」を実現することが重要となる。
同実証では、日本の農業を支える若手農業者の育成、ノウハウの伝承、経営管理の効率化など課題に対するソリューションの構築を目指し、農業AIエージェントサービス「V-farmers」を検証する。
同実証の対象として選定したタマネギは、全国的に流通し、特に消費量が多く重要な国の指定野菜である一方、国産品は夏季に端境期が生じており、その間は輸入品に頼らざるを得ない状況となっている。また、実証サイトが位置する東北地方では端境期の解消に向け、従来はあまり栽培されなかったタマネギの本格的な生産を始めており、スマート農業の活用による栽培経験の補完や作業・経営の効率化が期待されている。
同実証ではその一環として、AIエージェントサービスによる栽培ノウハウ補完や経営管理業務支援の効果を検証。東北地方におけるタマネギ栽培での検証結果は、農業経験の乏しい新規就農者の支援や、気候変動適応として新たな品種の栽培を始める地域の支援にも応用可能と考えられる。
また、V-farmersの対象品目として、同実証の対象であるタマネギに加え、コメなどの品目への拡大を計画している。
◎実証の概要
実証内容:農業AIエージェントサービス「V-farmers」プロトタイプを用いた機能検証
・経営管理支援サービスの有効性の検証
・栽培支援サービスの有効性の検証
・農業用生成AIの精度の検証
・既存のスマート農機などとの連携検討
実証期間:9月25日~2026年9月30日
実証では秋播きタマネギを主対象とし、6月からの実証準備活動を含め、栽培サイクル全体で検証。(想定スケジュール:8月播種、10月定植、翌年6~7月収穫)
実証サイト:MKFA(秋田県南秋田郡大潟村/経営面積65ヘクタール、実証対象面積6ヘクタール/株式会社三井住友銀行が、2016年に農業法人等と共同で秋田県大潟村に設立)
対象作物:タマネギ
役割:日本総研とJSOLは、共同で農業現場のニーズ把握・分析、サービス仮説を構築。日本総研は政策動向や市場動向を把握するとともに、実証を踏まえた政策提言・情報発信を行う。JSOLは、「V-farmers」アプリを企画・開発・運用。MKFAは、「V-farmers」プロトタイプを現場に試験導入し、フィードバックを行う。
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