人事2024 左バナー 
左カラム_シリーズ_防除学習帖
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
左カラム:JCA160_86
240401・ニッソーグリーン マスタピース水和剤SP
JA全中中央①PC
FMCセンターSP:ベネビア®OD

もっと漢方を身近に 産業化への可能性を探る2015年9月2日

一覧へ

漢方産業化推進研のセミナーから
加藤一郎(株)ジュリス・キャタリストCOO

 (社)漢方産業化推進研究会(漢方産業化推進研=代表理事渡辺賢治慶大教授、事務局三菱総研)は8月19日に慶応義塾大学三田キャンパスで「未病・漢方の産業化への可能性」をテーマに第1回セミナーを開催した。参加者は約250名。このセミナーの様子を加藤一郎(株)ジュリス・キャタリストCOO(漢方産業化推進研アドバイザー)に取材していただいた。

◆薬草の自給率はわずか12%

 セミナーではまず、超党派の議員からなる「薬用作物栽培推進議員連盟(会長=尾辻秀久参院議員)」副会長の野間健衆議院議員が「地方創成の核として薬用作物の産業化に期待する」と、来賓として挨拶した。
 その後、渡辺賢治慶応義塾大学環境情報学部兼担医学部教授が、「なぜ今、漢方産業化なのか?」として基調講演した。
 このなかで渡辺教授は、我が国は超高齢化社会に入り、医療費は2011年の39兆円から25年には54兆円に達すると予想されている。
 漢方は「病気ではなく、人を治す」ものであり、複数の疾患を持っていても一つの漢方薬で対応するのが原則であり、個人の体質に合わせた治療である。漢方薬を効率よく使うことで医療費は大幅に削減することができる。
 東西医療が融合した世界に類のない我が国の「漢方」が海外からも注目を集めているにも関わらず、原料となる薬草の自給率は約12%しかない。しかも価格は高騰してきている(オタネニンは06年比4倍)。また中国産の生薬から残留農薬、重金属が検出され、安全な薬用作物を求める動きが顕著となった。耕作放棄地対策、地域の雇用対策の面でも漢方の産業化は急務である、と語った。
 基調講演に続いて、神奈川県、富山県、奈良県から、現在の取り組み状況などについて報告された。


◆未病産業創設へ研究会を設立 <神奈川>

 神奈川県ヘルスケア・ニューフロンティア推進局の市川喜久枝事業推進部長は、「未病産業の創出に向けた取組」として、黒岩神奈川県知事が主導する「未病の見える化」に基づき、最先端の診断技術により新たな未病産業の創設を促進するために「未病産業研究会」を設立し、現在、未病産業のモデル事業のアイデアを募集中。
 10月22日には「未病サミット神奈川2015in箱根」を開催する。薬草を利用した新たな商品開発に向けて産官学連携、医農連携の取り組みを進めると報告した。
 なお、「未病」とは、健康と病健康と病気に別けるのではなく健康と病気の間に変化の過程があるとする漢方の概念のこと。


◆薬用作物実用化 県を挙げ推進 <富山>

 富山県厚生部くすり政策課の坂西義史課長は、「薬用作物の実用化に向けた富山県の取組み」と題して、石井富山県知事のもと庁内プロジェクトチームと連携した学識経験者、医薬品製造業、食品加工、薬用作物生産者からなる「富山県薬用作物実用化研究会」を設置。
 本年度から同研究会のもとに「医薬品等」「健康食品」「生産」の各テーマ別に幹事会を開催して運営している。生産者と実需者のマッチングを進め、トウキの葉を利用した和菓子の販売、県産シャクヤクの根を医薬品製造者、花を繊維業者に提供している。
 今後とも「県薬用植物指導センター」「県薬事研究所」「富山大学和漢医薬学総合研究所」とともに、栽培コストの低減、担い手の確保、売り先の確保、新商品の開発支援に取り組み薬用作物の実用化を図ると語った。


◆漢方ゆかりの地ツアーを企画 <奈良>

 最後に、奈良県知事公室審議官兼産業・雇用振興部の橋本安弘部長が、「奈良県における漢方産業化に向けた取組み」を報告した。
 奈良県は日本書紀(611年)で推古天皇が県内で薬猟をされた記述、徳川吉宗の時代には森野旧薬園で薬草栽培が開始されるなど漢方薬とは歴史的に見ても密接な関係がある。
 荒井知事のもと「漢方のメッカ推進プロジェクト」を設立し、関係部局、県立医科大学大和漢方医学薬学センター、学識経験者と連携して「生薬の供給拡大」「漢方薬等の研究・臨床」「漢方薬等の製造」「漢方の普及」についてステージごとの課題の取り組みを進めている。
 10月24日には「漢方シンポジウム2015」の開催、11月12日から1泊2日の「漢方のゆかりの地を巡る」ツアーを企画している。


◆産官学・農商工連携が重要に

 この漢方産業化推進研は、2013年12月に健康寿命の延伸と地域活性化を目指して渡辺賢治慶応義塾大学教授が中心となり、神奈川県、富山県、奈良県の各知事らが参加して設立された。
 現在は協力団体が9県、12市町村6法人、会員企業18社、個人会員5名、アドバイザー8名までに拡大している。
 漢方産業化の推進には行政、学問の縦割りを打破した産官学連携、農商工連携が前提条件となる。我が国を取り巻く経済・社会・生活・健康状況は研究会の動きを加速化させ、今や大きな潮流になっている。
 本研究会は会員向けのセミナー(年5回程度)と一般向けのセミナー(年2回程度)を開催するほか、海外市場調査等を行っている。

【問い合わせ先】
 一般社団法人漢方産業化推進研究会 http://kampo-promotion.jp
 事務局=(株)三菱総合研究所 人間・生活研究本部 ヘルスケア経営グループ 電話=03(6705)6130 メール=kampo-suishin@mri.co.jp

重要な記事

日本曹達_ナブ乳剤_SP

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る