ジャパンアグリテックなど協業各社と「オーガニックキノコ協会」設立 ハルカ社2023年1月13日
有機JAS菌床キノコメーカーのハルカインターナショナルは1月11日、キノコ種菌・菌床メーカーのジャパンアグリテックなど協業各社と「オーガニックキノコ協会」を発足。消費者と環境負荷低減によるサステナブルな社会づくりを目指す。
有機JAS認証が得られるシイタケ菌床
オーガニックキノコ協会は、有機JAS認証が得られるキノコ菌床を活用し、おいしくて安全安心なフレッシュシイタケや乾燥シイタケの流通促進を図ることを目的として設立。ハルカ社やジャパンアグリなどが有機JAS認証を得られる国内製造のキノコ菌床を栽培参入事業者に販売し、消費者が有機認証のキノコ商品を購入できる機会を増やす。
有機認証の栽培キノコは、JAS法に則り、農薬や殺虫剤など化学薬剤、化石燃料由来の冷暖房システムを使わないで栽培するキノコのこと。栽培管理などが適合すれば認証機関を通して有機JASの認証が得られる。栽培事業者にとっては電気料金などが高騰する中、低コストで高品質なキノコを栽培できる事業モデルとなる。また、消費者にとっても菌床原料の情報開示をはじめ、農薬・化学添加剤の不使用などを確認できる。
同協会では有機認証が得られるキノコ菌床は、トレサビリティーが確認できる広葉樹など雑木を菌床原料にしている点や、菌床原料に利用することで広葉樹林の萌芽更新を促し森林の機能性を維持している点、栽培を終えた菌床は有機農業に有効な堆肥として再利用できるなど、循環型農林業に寄与できることを広める。
また、同協会は、有機キノコ栽培事業者が地域の学校給食に安定して供給できる条件整備について、地域のPTAや行政、学校給食会などと連動してオーガニック学校給食の普及活動に努める。
農水省は海外輸出5兆円目標を掲げて国産農産物の輸出促進を図っている。同協会では、特に東南アジアで乾燥シイタケを使う食文化に着目し、有機乾燥シイタケの輸出促進に向けた環境整備を推進。米国や欧州では和食のだしのうま味が認識されるようになってきたため、代表的なだし食材でもある乾燥シイタケの有機品の輸出を図るため、SNSなどを利用した情報発信活動を積極的に展開する。
一方、国内の栽培キノコ業界は、乾燥シイタケの主力栽培事業者だった原木栽培農家の高齢化で、市場への供給量が激減。需要はあっても供給が減っているため、低廉で粗悪な海外産を国産品と偽って販売されており、消費者庁は産地表示の厳格化を進めているが、産地偽装の横行は解消されていない。
そこで同協会は、原木栽培の乾燥シイタケと同等、あるいはそれ以上の品質を担保できる菌床栽培の有機乾燥シイタケの栽培を普及。産地偽装によって不当に低価格になっている乾燥シイタケ販売価格の適正化にも努め、山間に立地する有機乾燥シイタケの栽培事業者が地域での生業を維持できるよう活動していく。
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