【注意報】ピーマンにアザミウマ類 県内全域で多発のおそれ 大分県2025年7月10日
大分県農林水産研究指導センター農業研究部は、ピーマンにアザミウマ類(ヒラズハナアザミウマ)が県内全域で多発のおそれがあるとして、7月1日に令和7年度病害虫発生予察注意報第1号を発表した。

大分県農林水産研究指導センター農業研究部によると、6月16~20日に実施した巡回調査では、発生圃場率、平均寄生花率ともに平年より高く、(図1)多発傾向だった昨年の発生も上回った。優占種はヒラズハナアザミウマ。
発生圃場率:66.7%(平年:45.0%、前年:55.6%)
平均寄生花率:17.6%(平年:10.5%、前年:13.6%)
同虫は高温乾燥条件で発生が助長されるが、福岡管区気象台が6月19日に発表した1か月予報では、向こう1か月の平均気温は、平年並10%、高い確率80%、降水量は少ない確率50%、平年並30%と予測されており、引き続き好適条件が続く可能性がある。
ヒラズハナアザミウマの成虫(左)とピーマンの花を食害するアザミウマ
(提供:大分県農林水産研究指導センター農業研究部)
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)アザミウマ類の薬剤抵抗性発達を防ぐため、同一系統薬剤の連続使用は避け、ローテーション防除を心掛ける。防除に使用する薬剤は、大分県農林水産研究指導センター病害虫対策チームホームページ内にある「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」の「ピーマン」の項を参照する。なお、薬剤によっては指針の更新日以降に登録内容が変更されている場合があるため、容器のラベルに記載されている使用時期、使用回数等を遵守し使用する。
(2)ヒラズハナアザミウマおよびミカンキイロアザミウマはピーマン黄化えそ病(TSWV)を媒介するため、発病株は抜き取り、圃場外に持ち出して埋設するなど適切に処分する。また、TSWVは汁液伝染するため、発病株の抜き取りなどは作業の最後に行なうとともに手洗いを励行する。
(3)圃場内および周辺の雑草はアザミウマ類の増殖源となるため、除草を徹底する。ただし、防除前に除草を行うと、施設外からの飛び込みにより被害が拡大する恐れがあるため、施設内のピーマンに対して防除を実施した後、薬剤の効果が残っている内に速やかに除草を行うよう留意する。また、アザミウマ類は風で移動するため、特にハウスの風上側の除草を心がける。収穫残渣についてもアザミウマ類の増殖源となるため、埋設するなど適切に処分する。
(4)アザミウマ類は、ピーマン以外にも花き類、トマト、イチゴなど、多くの園芸作物に被害を及ぼす害虫であることから、作物体を注意深く観察し早期発見・早期防除を心掛ける。
(5)次作以降のアザミウマ類及び黄化えそ病(TSWV)の蔓延を防ぐため、ピーマンの収穫終了後、年内に残渣の処分や施設周辺の除草を徹底する。
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