【注意報】イネカメムシ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年7月10日
埼玉県病害虫防除所は、イネにイネカメムシが県内全域で多発のおそれがあるとして、7月3日に令和7年度病害虫発生予察注意報第2号を発表した。
写真1:成虫(2025年7月)と写真2:成虫(2024年8月)(提供:埼玉県病害虫防除所)
埼玉県病害虫防除所によると、県内に設置している水稲用乾式予察灯6基のうち1基で5月中旬に成虫の初誘殺を確認した。その後、これら6基の予察灯における6月30日までの誘殺数合計は28頭に達し、イネカメムシが多発した昨年同時期の誘殺数合計(24頭)と同等になっている。
県北東部および東部の早期栽培「コシヒカリ」等で、6月下旬、出穂前からイネカメムシの集中的な侵入が報告されている。また、埼玉県農業技術研究センター(熊谷市)の試験研究水田で、5月中旬移植のほ場において多数の成虫侵入が確認され、7月1日の調査では、径36cm捕虫網20回振りにおいて46頭(3地点の平均)が捕獲された。
病害虫防除所の調査定点水田14地区のうち複数の地区において成虫の侵入を確認。初発の確認時期は昨年より約一週間早く、6月下旬だった。
気象庁が7月3日に発表した季節予報によると、関東甲信地方の向こう1か月の気温は高く、降水量は平年並か少ないと予想。今後も同虫の発生に好適な条件が継続し、多発生が予測される。
写真3:イネカメムシによる基部斑点米と写真4:齢幼虫(2024年9月)(提供:埼玉県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)イネカメムシはイネの出穂後に穎花および籾の基部を激しく加害するため、株当たりの寄生頭数が少ない場合でも大きな被害につながる可能性がある。
(2)出穂期~開花期頃に集中的な加害を受けると著しい不稔が発生し、大幅な減収につながる。出穂期~穂揃期(不稔対策)および出穂期の8~14日後(斑点米対策)の2回、薬剤による防除を実施する。
(3)同虫は、イネの出穂前は水田周辺のイネ科雑草の穂を餌として利用する。特に、早期栽培や早植栽培ではこれらイネ科雑草が重要な餌資源となるため、イネの出穂前の除草を徹底する。
(4)周辺より出穂の早い品種・作型、あるいは周辺より出穂の遅い品種・作型では、被害が集中しやすいため防除を徹底する。なお、出穂前から多数の成虫が侵入している場合には出穂前にも防除を行う。
(5)農薬による蜜蜂への影響を軽減させるために、散布は蜜蜂の活動が最も盛んな時間帯(午前8時~12時まで)を避け、可能な限り早朝または夕刻に行うなどの対策を講じる。
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