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【リレー談話室・JAの現場から】直売所は正組と准組で2018年11月14日

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【荒川博孝・JA東京中央経営企画部経営企画課長】

◆「基本法」から学ぶ

 JAの自己改革を推進するなかで、改めて農協や農業に関する法律を読み返してみると新たな発見がある。特に気になる法律が「食料・農業・農村基本法」だ。お恥ずかしい話、全文を読んだのは最近のことである。
 この法律は、昭和36年に制定された農業基本法の流れをくむものであり、その農業基本法は当時の社会経済の動向や見通しを踏まえて、わが国農業の向かうべき道筋を明らかにするものであった。農業基本法は平成11年に食料・農業・農村基本法に生まれ変わり、今般の農政の方向性を示すものであり、国内農業や農村そして食料安全保障の点からも国民にとって非常に重要な法律であることがわかった。そしてその中に、次のような気になる条文を発見した。

 

(消費者の役割)
第十二条 消費者は、食料、農業及び農村に関する理解を深め、食料の消費生活の向上に積極的な役割を果たすものとする。

 

 同法の第12条は「消費者の役割」を規定しているが、農協目線で考えると同条は准組合員が担う役割と言えるのではないだろうか。「消費者は、・・・」を「准組合員は、・・・」と置き換えても違和感がないばかりか、准組合員は地域農業の応援団にとどまらず、食料の消費生活の向上を担う組合員と位置付けることができる。すなわち、食の主人公である。もちろん農業の主人公は正組合員である。

 農協は生産者団体だからプロダクトアウトの発想になりがちであるが、准組合員は生産者ではない。准組合員は消費者である。したがって農協は農業振興策を確立するにあたり、准組合員を「農業の応援団」のみならず「食の主人公」と位置づけ、食に関する消費行動や要望を集約することで市場や小売の先にある消費者ニーズをキャッチすることができる。
 たとえば、直売所で買い物をする准組合員はただのお客さまではなく、「食の主人公」たる農協の組合員なのである。「お客さまの意見を聞く」のではなく、「組合員の意見を取り入れる」ことで、協同組合型の販売力の強化策を打ち立てることができる。組合員アンケートで農協事業の満足度を聞くのもいいが、准組合員の食の消費行動や要望を調査し、生産者へフィードバックすることによって正組合員(生産者)と准組合員(消費者)で築き上げる直売所(組合員共同利用施設)ができるのではないだろうか。
 お客さまの意見ではなく准組合員の意見ということであれば、直売所こそが農協運営への参画の場であり、農協法第1条に掲げる農業生産力の増進に寄与するものとなる。

 

◆生協から学ぶ

 生協の組合員はまさしく食の主人公である。生協では、組合員の要望集約等を通じて供給する商品を選定し、生産・製造はアウトソース(外製)している。ところが農協の直売所であれば正組合員(供給側)と准組合員(受給側)が品物や規格などの協議を行うことで、インソース(内製)の運営となり、組合員共同使用施設の意義が高まる。農協は食と農を基軸とするのならば、まずは双方を繋ぐ活動がアクティブメンバーシップの第一歩ではないだろうか。これは、単なるモニター制度ではなく、運営参画型の協同組合活動である。

 

◆准組の消費行動から

 直売所に来店する方々は多様な考えで来店しており、生産者もまた多様な考えで出荷している。直売所は個人生産者の共同施設であることから、多様な想いを反映した品揃えがあってもいいと思う。しかし消費者ニーズをつかまないと痛い目にあうので、准組合員の消費行動や要望を活用にするのである。それらを参考に、私は忙しいお母さんを応援したいからレシピ付のセット商品を販売したい、私は高齢者世代をサポートしたいから小分けの規格で販売したい、私は子どもたちに本当の野菜の姿を見せたいから葉付きニンジンを売りたい、など「自らの生産物を誰に届けたいか」という想いが重要なのではないだろうか。そして直売所で働く職員はそのマッチング(共感)を行うことが協同組合型経済活動の価値ある実践となる。
 多様な組合員の共感を直売所運営に反映させることができれば、正組合員(生産者)も准組合員(消費者)も私の直売所という認識になるのではないだろうか。また、准組合員がただの消費者(お客さま)になっては運営が困難になることから、地域農業や生産者の努力などの学習活動をあわせて行う「食に関する新たな組織」が必要になると思われる。
多様な組合員が共感する持続可能な活動こそがこれからの農協運営の肝であり、それがこれからの組合員の共通の願いとなるのであろう。

 

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