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【浅野純次・読書の楽しみ】第38回2019年5月15日

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【浅野純次/石橋湛山記念財団理事】

◎保阪正康
『続 昭和の怪物七つの謎』
(講談社現代新書、928円)

 「昭和史」とくれば著者の名を思い浮かべる人は多いでしょう。ベストセラーの続編である本書も期待にそぐわぬ面白さです。
 登場するのは近衛文麿、橘孝三郎、野村吉三郎、三島由紀夫、田中角栄、伊藤昌哉、後藤田正晴の7人。役回りや時代背景はさまざまですが、著者ならではの綿密な取材過程が書き込まれていて、魅力的な人間像が浮かび上がります。
 近衛という人物は、国民的人気は高かったし、戦争回避に努力をしたことも間違いないですが、軽くてどこか足りないものが感じられるのは私の偏見なのかどうか。簡単に内閣を投げ出したり、「蒋介石を相手にせず」などと発言したりせず、どっしり構えてほしかった。ともあれ戦争を考えるうえで重要な素材が提供されます。
 田中角栄も劣らず面白く読めます。「自覚せざる社会主義者」だとか、伊藤昌哉は角栄を徹底危険視したとか、庶民の欲望を政策化したことの功罪とか、いろいろありますが、全体として著者が角栄を高評価しているのには共感します。
 戦争に徹底的に反対した後藤田のような骨のある政治家を見かけなくなったのも大問題ですが、政治の劣化を考えると忘れてはいけない政治家の一人だと痛感しました。

 
◎マーティン・ファクラー
『米国人ジャーナリストだから見抜けた日本の国難』
(SB新書、864円)

 NYタイムズの東京支局長を務めた日本通の著者の本はいつも刺激的です。特に日本のマスメディアが権力に対して及び腰で言うべきことを言わないでいることへの批判は、そのとおりと思いながら読み進みました。
 帯には「メディアが本当のことを伝えないこの国の真実」とあり、「安倍一強」「五輪不況」「移民国家」「米中新冷戦」が挙げられています。どれも歯に衣着せずという感じでズバズバと述べられていて、日本の新聞やテレビとはだいぶ感じが違います。
 トランプ政権とそれに追随する安倍政権にも容赦がありません。ただ日本がこのままだめになるというのではなく、日本の強みも指摘しています。
 たとえば全米を席巻するKonMariという片付けソフトだとか(ご存知ですか)、革新的ファッションや激安B級グルメなど魅力いっぱいの国であり、かつ少子高齢化という課題の先進国でもある。だから輝くか沈没するか、日本は大きな岐路に立っているのだと。考えさせられました。

 

◎保坂隆
『老後の「不安」の9割は無駄』
(KADOKAWA、1188円)

 著者は1952年生まれの精神科医なので自らも老後に直面しています。身体面、精神面、おカネ、人づきあい、頭の鍛え方など66のテーマで老後の過ごし方を伝授してくれる虎の巻。すいすい読めて、たくさんヒントがもらえます。
 面白がる、夢をもつ、暮らしと家の中をスリム化する、連れ合いに「ありがとう」を連発する、パソコンとスマホに挑戦する。まだまだたくさんの提案がされていますが、どれもたいして難しい話ではありません。
 要するに後ろ向きの考えは捨てて、前向きに考え行動することが大事なようです。歳をとってやる気がなくなることが最も危ない。笑顔さえあればコミュニケーションはうまくいくのだと著者は言い切っています。
 私の周りにも笑顔も挨拶も全く苦手としか思えない年寄りが多いので、気の毒にと思うことしきりです。気楽に読める本なので、心当たりの人もそうでない人にもお勧めです。

 

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浅野純次・石橋湛山記念財団理事の【読書の楽しみ】

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