【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメ増産こそが自給率を向上させる~輸入小麦をコメで代替すれば49%2025年7月10日
「コメを増産しても、需要は趨勢的に減っているから過剰になるし、自給率の高いコメを増産しても自給率の向上にはつながらない。自給率が極端に低い麦や大豆やとうもろこしなどの増産が必要だ」という見解をよく耳にする。
まず、コメ需要が減るから生産も減らし続けていくという政策を続けたら「負のスパイラル」で、日本の稲作とコメ業界は縮小していくだけである。日本農業の根幹と日本人の主食が失われ、一時的に輸入に頼っても、それが滞れば日本人は飢える。
これからは、生産調整から需要創出へ切り替えなくてはいけない。日本の水田をフル活用すれば、今の700万トンから1,300万トンにコメ生産を増やせる。コメ需要はないというのは間違い。備蓄が消費量の1.5 か月分では少なすぎる。備蓄は安全保障上の需要だ。
そして、小麦やとうもろこしの輸入が滞るリスクも高まっている中、コメのパンや麺、飼料米を増やすのは安全保障上のコメ需要で、貧困層増大の下でのフードバンクや子ども食堂を通じたコメ支援も必要だ。備蓄とそれらを合わせたらコメ需要は膨大にある。かつ、コメの活用で自給率は大幅に向上できる。
1つの試算を占めそう。表1は、現状のカロリーベース自給率の数値である。(ここでは、飼料自給率が20%程度であることは考慮されているが、肥料や種の自給率の低さは考慮していない。)
表2は、小麦についてのみ着目し、輸入小麦を国産のコメで代替できたら、どうなるかを試算したものだ。単純化した試算ではあるが、これだけで自給率は49%まで上昇する。飼料用とうもろこしもコメで代替した場合の試算は後日を期すが、コメの増産と活用が食料自給率向上に大きな効果がある可能性が確認できる。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】シロイチモジヨトウ 全道で多発に注意 北海道2025年8月25日
-
水稲用除草剤「ノックアウト楽粒」の効果・作業性は? 2年連続導入の生産者に聞いた 北興化学工業2025年8月25日
-
【人事異動】JA全中(9月1日付)2025年8月25日
-
ひとめぼれの概算金2万8000円 「3000円台で安定供給」 全農いわて2025年8月25日
-
観光地の熱海再生に学ぶ 新たな事業創造の実践【JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト】2025年8月25日
-
耕畜連携・資源循環ブランド「3‐R」6周年フェア 広島のみのりカフェで開催 JA全農2025年8月25日
-
特大野菜と岡山県産豚の"晴ればれバーガー"を期間限定販売 JA晴れの国岡山2025年8月25日
-
県のオリジナル新品種「桃太郎トマトシルク」をPR 天満屋ストアでイベント開催 JA晴れの国岡山2025年8月25日
-
【農と杜の独り言】第3回 コンテストが園芸博の特色 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年8月25日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」山梨県で大玉で濃厚な甘みの すもも「皇寿」を収穫 JAタウン2025年8月25日
-
【推しの子】コラボの福島県産もも 好評で追加注文受付開始 JAタウン2025年8月25日
-
北海道産牛乳・チーズを買って当てよう「Choose!&Cheese!キャンペーン」ホクレン2025年8月25日
-
ジャガイモシストセンチュウ類 新たな土壌検査法を開発・検査サービス開始 農研機構2025年8月25日
-
日本の農業技術をインドへ エムスクエア・ラボと共同事業開発契約を締結 誠和2025年8月25日
-
世界初スイッチ型分解ペーパーポット 持続可能な農業資材を開発 ニッテン2025年8月25日
-
化学工学会の粒子・流体プロセス部会主催国際シンポジウム「MMPE2025」に協賛 丸山製作所2025年8月25日
-
LED植物工場で「甘くて栄養価の高いミニトマト」安定生産に成功 東京大学2025年8月25日
-
「ダノン ビオ ヨーグルト 腸活これだけ 贅沢ブルーベリーミックス」新発売2025年8月25日
-
森林保全に配慮した紙とバイオマスインキ採用「テープナー」用テープ個箱をリニューアル マックス2025年8月25日
-
クボタと星槎道都大学が包括連携協定を締結 次世代人材育成と地域活性化へ2025年8月25日