【JCA週報】協同組合と文化2019年6月10日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)(会長 中家徹JA全中会長)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
今回は、「協同組合と文化」です。
協同組合研究誌「にじ」2018年秋号の特集「協同組合と文化」の座長をお願いした関西大学 杉本貴志教授の特集改題を紹介します。
協同組合研究誌「にじ」2018年秋号「特集:協同組合と文化」
協同組合人からして見れば、協同組合が組合員の経済的・社会的・文化的なニーズに応え、その3側面での地位の向上のために存在することは自明であろう。国際協同組合同盟も、1995年に「協同組合のアイデンティティ」とは何なのかを宣言するなかで、それをはっきりと表明している。
しかし、(略)端的に言えば、本誌のような協同組合関係の雑誌において専ら語られるのは、協同組合の組合員の経済生活であり、協同組合が展開する社会運動であって、そこに「文化」が登場することは、稀とは言わないにしても非常に少ないのである。
(略)
「文化」という領域は、営利企業よりもむしろ非営利の組織に適合性が高い世界であり、しかし政府や自治体がそこに介入することが財政難等の理由からますます困難性を増している世界でもある。それは要するに、「文化」という分野は民間でありながら非営利である協同組合の可能性や協同組合への期待が高まっている分野だということに他ならない。
(略)
農林水産業や小売流通業、金融業などにおいて、協同組合は市場経済や自由競争は万能ではないことを主張してきた。経済学の名の下で、その主張はしばしば無視され、嘲笑されさえしてきたけれども、文化という領域において、自由競争万能論を説く文化経済学者はいないだろう。そういう意味で、実は協同組合に最も大きな期待が寄せられるのは「文化」というフィールドなのではないかと筆者は考えるのである。協同組合とは、組合員と地域の経済的向上以上に、文化的向上に貢献できる事業であり、運動であり、組織である。本特集を読まれて、読者はどう感じられるだろうか。
【ご購読のご案内】
○TEL:03-6280-7252
○FAX:03-3268-8761
○E-Mail:kenkyu@japan.coop
日本協同組合連携機構(JCA) 基礎研究部まで電話・FAX・Eメールでお問い合わせください。
本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
コラム一覧【JCA週報】
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(56)【防除学習帖】第295回2025年4月26日
-
農薬の正しい使い方(29)【今さら聞けない営農情報】第295回2025年4月26日
-
1人当たり精米消費、3月は微減 家庭内消費堅調も「中食」減少 米穀機構2025年4月25日
-
【JA人事】JAサロマ(北海道)櫛部文治組合長を再任(4月18日)2025年4月25日
-
静岡県菊川市でビオトープ「クミカ レフュジア菊川」の落成式開く 里山再生で希少動植物の"待避地"へ クミアイ化学工業2025年4月25日
-
25年産コシヒカリ 概算金で最低保証「2.2万円」 JA福井県2025年4月25日
-
(432)認証制度のとらえ方【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年4月25日
-
【'25新組合長に聞く】JA新ひたち野(茨城) 矢口博之氏(4/19就任) 「小美玉の恵み」ブランドに2025年4月25日
-
水稲栽培で鶏ふん堆肥を有効活用 4年前を迎えた広島大学との共同研究 JA全農ひろしま2025年4月25日
-
長野県産食材にこだわった焼肉店「和牛焼肉信州そだち」新規オープン JA全農2025年4月25日
-
【JA人事】JA中札内村(北海道)島次良己組合長を再任(4月10日)2025年4月25日
-
【JA人事】JA摩周湖(北海道)川口覚組合長を再任(4月24日)2025年4月25日
-
第41回「JA共済マルシェ」を開催 全国各地の旬の農産物・加工品が大集合、「農福連携」応援も JA共済連2025年4月25日
-
【JA人事】JAようてい(北海道)金子辰四郎組合長を新任(4月11日)2025年4月25日
-
宇城市の子どもたちへ地元農産物を贈呈 JA熊本うき園芸部会が学校給食に提供2025年4月25日
-
静岡の茶産業拡大へ 抹茶栽培農地における営農型太陽光発電所を共同開発 JA三井リース2025年4月25日
-
静岡・三島で町ぐるみの「きのこマルシェ」長谷川きのこ園で開催 JAふじ伊豆2025年4月25日
-
システム障害が暫定復旧 農林中金2025年4月25日
-
神奈川県のスタートアップAgnaviへ出資 AgVenture Lab2025年4月25日