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【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】(172)人事の季節2020年3月13日

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【三石誠司 宮城大学教授】

 農業協同組合新聞の報道で重宝しているもののひとつが「人事」報道である。事業年度4~3月が多い日本では、4月1日付の発令が多い。筆者の古巣でも年明け以降、続々と行われている。

 今年1月1日付と4月1日付人事の一部は、既に昨年12月に発表されている。1月1日付はともかく、何故4月1日付が早々に行われるかといえば、対象が海外駐在員のためだ。国内転勤の場合、筆者が知る最短時間は2時間である。これはある取引先のケースだが、上司に呼び出されて異動を告げられ、2時間後には、日本列島ほぼ半分の距離にある新任地に向かい出発していたという嘘のような実話である。

 海外赴任の場合は、いきなり告げられても心の準備以上に現実的な問題がある。まず、赴任先の国からビザを取得する必要があり、その期間が必要となる。短期出張で何度も行き来している人間でも、中長期の駐在には別のビザが必要だ。滅多に無いが、発給済のビザを全て無効にされ、当面新規ビザの発給中止ということになると大変だ。駐在員も留学生もこの点は同じだが、今回の新型コロナにおけるいくつかの国の例はまさにこのケースである。感染症の予防・拡大防止という観点からすればやむを得ない措置だが、影響は様々なところに及ぶ。

 次に、家族の問題がある。学齢期の子供を抱えた人間は、家族を帯同するかどうかが悩みどころになる。一般的には、子供が小学校低学年くらいまでなら一緒に行くケースが多いが、中高大の受験生を抱える場合や、通常3~4年と想定される駐在期間中に子供が受験期を迎える場合には別の判断が生じることがある。日本国内の転勤ですら単身赴任が多い中で、海外駐在となればさらに二の足を踏むケースは多い。

 さらに、配偶者が仕事をしている場合は、その仕事をどうするかという点でも重要な判断に直面する。職場で責任ある立場になればなるほど、そして目の前の仕事にやりがいを感じていればいるほど、ある日突然出される配偶者の転勤や海外赴任の辞令には複雑な気持ちになることは充分に想像できる。

 仮に配偶者が仕事をしていなくても海外生活を希望しない場合、そして昨今では高齢の親を面倒見ている場合など、個々の家庭の事情は微妙に異なるため、一概にこうすべきとは言えないところが難しい。

 年明け以降の古巣の人事異動を見ると、2月7日に「部次長級」が発表されている。当たり前だが、退職後15年も過ぎると先輩や同期がかなり少なくなった。かわりにかつての職場で一緒に仕事をした後輩達が続々と新しいポストについている。彼らは今後、益々頑張ってくれることと思う。

 2月21日には「課長級」が発表されている。ここで直接知る名前は10人程度である。中には古巣を離れてから知り合った人間もいる。自分が中堅職員のころ、若手として頑張っていた何人かの顔を久しぶりに思い出した。

 率直なところ、入会当初は、「部次長級」や「課長級」の人事異動になど全く関心がなかった。一番気になったのは最後に発表される「一般職員」の異動であり、それこそが自分の生活そのものに関わったからだ。

 当時はEメールなどなく、発表当日に総務担当部門宛にFAXが送られてきた。それが必要枚数だけコピーされ、上席者より順番に回覧されていた記憶がある。全国規模の組織では「札幌」だ「福岡」だと一喜一憂する同僚達がいる一方で、今年も異動対象にはならなかったとホッとしたり落胆したりする同僚達がいた。

 「全ての異動を栄転としてとらえよ」とはかつてある上司から受けた言葉だ。この言葉を古巣に限らず、人事異動を受けた全ての人に送りたい。筆者も時間を経るにつれ、この言葉の重みがわかるようになった。

 終身雇用という制度や定期人事異動という仕組みの評価は別として、それを20年以上経験してきた身からすれば、良くも悪くもこうした制度が職場に一定の刺激を与えてきたことは間違いない。内部での昇格以外に地理的な移動がほとんどない現在の職場は、人事の季節になると甘酸っぱく時にほろ苦い不思議な思い出を呼び起こしてくれる。

 
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三石誠司・宮城大学教授のコラム【グローバルとローカル:世界は今】

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