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【熊野孝文・米マーケット情報】コメの生産者と米穀小売店双方から出る「3点セット不要論」2020年3月17日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

【熊野孝文・米マーケット情報】
 新型コロナウイルスの影響でコメの流通業界でもイベントはもちろん会合や取引会が相次いで中止や延期になっている。そうした中にあって珍しく情報交換会と席上取引会を開催した団体があった。その団体とは全国米穀工業協同組合(略称全米工)で、先週12日に東京で東日本情報交換会と取引会が開催された。

 全米工の理事長曰く、新型コロナウイルスは「正しく恐れる姿勢が求められる」とのことで、出席者は減ったものの全国から18社の組合員が出席した。この席での話題もやはり新型コロナウイルスの影響で、出席者からは、新型コロナウイルスの影響は自粛も含め大きな影響が出ているなど以下のような話が出た。

 特にホテルなど宿泊施設、外食のコメ需要は目に見えて落ちている。その一方でディスカウントショップでのコメ購入量が2倍から3倍に急増した。九州は元年産の作柄が良くなかったので今後端境期に向けタイトになる可能性もある(福岡)。先週までスーパー向けの白米需要が急増したが、今週はピタッと止まってしまった。

 また、学校が休校になり学校給食向けの白米納入がストップしたことも影響が大きい(熊本)、日本青年会議所の全国大会が2月20日から沼津市で開催され、イベントを行ったが日に日に来場者が減少、今は様々な催しが中止になりホテルも困惑している。

 スーパーでの白米販売も今週になって落ちて来た。業務用米も3分2ぐらいに減った。一方でネット販売は3倍に増えた(静岡)、首都圏向けの精米供給は急増したが、千葉では買いだめはなかった。今、首都圏のスーパーのバックヤードは精米が山のようになっている(千葉)などといった情報が紹介された。

 影響はこれだけに留まらず、インバウンド需要の減少も気にかけなくてはいけなくなっている。

 銀座の有名百貨店にテナント出店している大手米穀小売店もそのうちの1社で、その小売店の経営者によるとこのテナント店では年々外国人が日本米を購入するケースが増えており、現在ではその比率が10%を超えるまでになっているだけに訪日外国人の減少に気を揉んでいる。その経営者に外国人はどのような日本米を求めるのか聞いたところ「一番美味しいコメ」もしくは「一番高いコメ」と言って注文するそうである。外国人にとって「産地・銘柄・年産」の3点セットでコメを選ぶという習慣はない。そもそもそうした基準でコメを選ぶのは日本人だけで、そうした表示が義務付けられていることさえ知らない。

 そこでこの経営者は気付いたのだが、外国人だけでなく3点セットではなく自社でブレンドした精米を自社ブランド米として消費者にアピールして販売すべきではないかと。幸いなことにこの経営者の奥さんは日本に1人しかいない「上級米飯食味評価士」で抜群のベロメーターを持っている。ベロメーターのレベルがいかほどのものかはいずれ紹介するとして、古米と新米を食べ比べて訓練している穀検の食味評価パネラーとはレベルが違う事だけは触れておきたい。

 もうひとつ幸いなことはネット通販の運営会社がコメ販売専用のアプリを開発、この経営者のところへ出店要請があったのだ。このコメ専用販売アプリのウリはコメのプロが推奨するコメばかり紹介していることで、ここに自社のブレンド米を上級米飯食味評価士の評価を添えてエントリーすることにした。その理由は米穀小売店が生き残るには徹底的に専門性を高めて行くしかなく、どこでも売っている3点セットのコメを販売していては生き残っていけないと判断したからに他ならない。

 3点セットが不要としているところは他にもある。日本農業法人協会は、内閣府が主催した規制改革推進会議がコメの規格・検査に関する問題を取り上げた際、意見をまとめた要請書を提出した。そこには「コメの流通は多様化してきており、集荷業者・卸業者を通さず、農業者から実需者(食品メーカー・外食企業等)・消費者に直接販売されるものが拡大してきている。こうした流通については、必ずしも農産物検査を受ける必要はなく、買い手である実需者・消費者のニーズに応えられる品質のものであれば足りることになる」とし、検査を受けなければ経営所得安定対策等様々な助成金の交付対象にならないことや表示が出来ないことを批判しており、撤廃を求めている。競争力強化のためには検査を農業者に強制し不要なコストをかけることをすべきではないと主張している。

 
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(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】

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