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(315)水が合う・合わない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2023年1月13日

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人間関係だけでなく、土地や環境・風土・組織などについても「水が合う・合わない」という表現がよく使われます。これを少し調べてみました。

「ことわざ」ではないが、ある程度以上の年齢の人であれば、「水が合う・水が合わない」という表現を使うことがある。これは、「水」という言葉と「合う・合わない」という言葉を組み合わせた「慣用句」である。

わかりやすい使い方は、勤め人が特定の会社や組織に対して馴染んだ時、馴染まない時に「水が合う」あるいは「水が合わない」などという形で使われる。この大元が古代中国の何らかの古典から取られた「故事成語」なのかどうかは未確認だが、もしかすると古い中国の話の中にあるのかもしれない。

さて、20年ほど前に米国ルイジアナ州に4年間、家族とともに駐在したが、その時毎日のように得た微妙な感覚が現地の「水」である。毎朝、顔を洗う時、どうしても手に残る感覚が馴染んだ水とは違ったからだ。食事や人間関係などは「慣用句」で用いられる意味の「水が合わない」ことはほとんどなく、むしろ過剰適応したくらいであったが、リアルの「水」の微妙に異なる感覚は今でも残っている。

ご察しのとおり、かの地は硬水である。水は、そこに含まれるカルシウムとマグネシウムなどのミネラルの濃度によりいくつかの種類に分類される。英語ではwater hardnessと言う。WHOは1リットル中の含有量が、0~60mgをsoft、61~120mgをmoderately hard、120~180mgをhard、180超えをvery hardとしている。日本語では軟水、中硬水、硬水、超硬水に相当する。

日本では厚生労働省が水道水質基準を定め、その中に水道管理目標設定項目があり、そこに27項目の目標値が定められている。令和2年4月1日に適用されたこの項目を見ると、「カルシウム、マグネシウム等(硬度)」の目標値は1リットル当たり10mg以上100mg以下である。WHOは120mg未満を2つに分けているが、日本の場合には多少異なるということだ。

さて、一般論で言えば、日本は軟水の国である。もちろん水の硬度は地域により異なる。ここからはややマニアックな内容だが、(公社)日本水道協会が公表している水道水質データベースを確認してみた。

平成30年度水道統計の中の水質分布表から硬度を見ると、原水では全国の計測地点8,044か所のうち実に7,571か所(94%)が100mg以下である。また、浄水(給水栓水等)では計測地点8,271か所のうち、7,917か所(96%)が100mg以下である。要は、日本は軟水ということが確認された訳だ。

ここから先に興味を持たれた方は、都道府県別や個別市町村の水の硬度を調べてみたら面白い。雑学のようなものだが、関西と関東、そして東北とでは硬度が異なる。同じ軟水でも硬度が低い水の場所では海藻類をもとにした出汁を中心とした食文化が発達し、比較的硬度が高い水の場合には鰹節などを用いて出汁を作ることが多い...と考えれば、地域ごとの食事の特徴も水の「硬度」という側面から検討することができる。こういう研究はテーマに悩む若手研究者にお勧めしたい。環境と食を合わせた面白い研究ができる。

さて、感想だが、生まれた土地、というよりも胎児の時に馴染んだ「硬度」に近い水を有する地域は、それこそ何となく「水が合う」と感じるのかもしれない。一方、硬水の多いヨーロッパではミネラル分は水を飲むだけで摂取できたため、肉食中心でもバランスが取れていた...。これはそういう水であったが故にそれに対応した食生活になったのかもしれない...、などと想像は尽きない。

そう思い最後にヨーロッパ産の有名なミネラル・ウォーターの硬度を確認したところ、300mgを超えるスーパー・ハードである。食の欧米化が進めば、いずれは何が必要になるか、こう考えて見るとビジネスにおける戦略の奥深さがわかる。

* *

特定のミネラル・ウォーターを美味しく感じる場合には、既に普段の食事を通じて身体そのものが「水に合う」体質に変化してきているのかもしれませんね。

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