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(367)米国の食料支出の推移【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年1月19日

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コロナの3年間、世界中でオンライン会議やテレワークなどが一気に拡大しました。食の面ではテイクアウトやデリバリーを含めた「内食」、つまり自宅での食事が中心になったのは世界共通でした。そこで米国の食料支出を振り返ってみました。

昨年9月に米国農務省から興味深い記事が出ている。タイトルを直訳すれば、「2022年の米国の消費者は、インフレ調整後でもこれまで以上に食料に支出」1 というものだ。内容は、1997年以降の米国の消費者による食料支出の推移である。過去四半世紀を俯瞰すると、食料支出が停滞あるいは減少した時期として、3局面を認めることができるようだ。
1991年以降、米国の景気は長期にわたり拡大していたが、2000年後半から変化が生じた。そして、2001年春先以降、景気は後退局面に入る。多くの人が記憶しているように、この年の秋には同時多発テロが発生している。これが食料支出へのブレーキ、第1の局面である。
その後の景気は順調に回復したが、2008~09年にかけて再び大きく後退した。リーマン・ショックに始まる世界大不況である。それでもこの時期の米国の消費者の食料支出の減少はそれほど大きくはない。これが第2の局面である。
明確な第3の局面は、2020年以降のパンデミックによる支出減少である。2020年には年間6.4%支出が減少したようだ。

* *

ところで、米国の食料支出に占める外食(FAFH:food away from home)と内食(FAH:Food at home)の割合はどのくらいだろうか。支出金額ベースで見た場合、内食と外食の割合が逆転したのは2003年以降である。その後2010年頃まではそれなりに同水準で推移していたが、2011年以降は外食のウエイトが急激に伸びている。先に述べた第2の局面以降、その傾向が明確になり、2015~19年までは差が拡大したままであった。
ところがパンデミックによる揺り戻しが来た。ロックダウンによる行動制限など、パンデミックの影響により米国の消費者の内食率は1990年代の水準にまで伸びた。裏を返せば外食率がその分低下した訳だ。レストランなどの飲食店が最も苦しんだ時期である。
時間の経過とともに少しずつ規制や人の動きが回復した。その結果、2022年には外食率は回復というレベルを超え、実は過去四半世紀の最高水準にまで到達した。農務省の機関誌に掲載されたグラフ2 は、こうした流れを明確に示しているため、是非じっくりと見て頂きたい。
元の記事を詳しく読むと、さらに興味深いことがわかる。パンデミックにより生じた変化として、人々は内食(FAH)へと動いたが、それに対応してグロサリー・ストアやスーパー・センターがパンデミックの進展とともに他者との接触を可能な限り少なくするような形でのデリバリーやピックアップなど、新規かつ多様なサービス形態を生み出しながら生き残りを図ったことがわかる。同様な工夫は日本でも数多く実施されている。
興味深い点は、一度は内食へ向かった人々も、時間の経過とともに再び外食に支出する金額を増やしていったことである。そういえばパンデミック初期の頃、わが国でも内食をするなら、ストレス解消も兼ねて多少の贅沢でも、という雰囲気が存在していたことを覚えている人も多いと思う。
さらに時間が経過すると、感染防止や健康管理に気を付けつつ、人々は再び外食へと向かった結果、米国では、インフレ率を調整した実質ベースでも、2022年にはパンデミック以前よりも外食への支出金額の割合が増えた...ということのようだ。

* *

以上はあくまで米国の振り返りですが、日本の場合はどうでしょうか。それも興味あるところです。

1 Zeballos, E. and Sinclair, W., "U. S. Consumers Spent More on Food in 2022 Than Ever Before, Even After Adjusting for Inflation, "Amber Waves, September 25, 2023. アドレスは、 https://www.ers.usda.gov/amber-waves/2023/september/u-s-consumers-spent-more-on-food-in-2022-than-ever-before-even-after-adjusting-for-inflation/ (2024年1月18日確認)
2 出典は注1に同じ。
https://www.ers.usda.gov/webdocs/charts/107436/Fig_2_Food_expenditure_2022.png?v=9505.9  

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