(421)国際価格と家計感覚【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年2月7日
今年の価格はどうなる?明日のマーケットの動向は不案内ですが、それでも一定の「気構え」はできるかもしれません。
世界銀行が公表しているコモディティ価格データには、直近の価格だけでなく長期の価格推移も示されている。この場合、コモディティとは食品などの原材料と考えればわかりやすい。今回は、2025年1月3日に公表された長期価格推移のうち指数化(2010年=100)されたデータから全体の推移を眺めてみたい。
簡単に言えば、2022年の142.52をピークとして、2023年108.04、2024年105.10と低下している。ようやく落ち着いてきたか、という感じである。
データは大きくエネルギー、非エネルギー、貴金属、という形に分かれている。非エネルギー部門は農業、肥料、金属・鉱物と分かれる。さらに農業部門が飲料、食品、原材料に分かれ、食品が油脂・粕、穀物、その他、に分かれるという構成である。文章で記すと、このように面倒になるが実際の表は意外と見やすい。
全てを記すとわかりにくくなるため、以下では、コモディティ全体、エネルギー、穀物、肥料、以上の4つに絞って話してみたい。
* *
コモディティ価格に最大の影響を与えた直近の出来事は、3年前、2022年2月24日のロシアによるウクライナに侵攻である。2021年のコモディティ価格が100.90であったのに対し、2022年は142.52に上昇している。この年、世界のコモディティ価格は指数ベースで見れば全体として4割上昇したことになる。
個別に見ると、2021年から2022年にかけて、エネルギーが95.38から152.57へ(1.6倍)、穀物が123.82から150.37(1.2倍)へ、そして肥料が152.74から235.74(1.5倍)へと上昇している。エネルギー、穀物、肥料、を輸入に依存している日本が、いかに多くの影響を受けたか、そして分野により変動幅にかなり違いがあることがわかる。
その後の状態はと言えば、コモディティ全体は2023年に108.04、2024年には105.10へと低下している。以下、エネルギーは106.95から101.52へ、穀物は133.04から112.87へ、そして肥料は153.54から117.63、である。
数値は低下したとはいえ、依然として底堅い雰囲気がある。チャートだけで相場を判断するチャーチストでなくても、現在の水準に一定の下値支持線(サポートライン)のようなものを感じるかもしれない。
もちろん、例えば現実の穀物の場合には実際の需給状況、他のコモディティとの相対的な割安感、投機資金の動向などを理解しておかなければならない。マーケットはこれら全ての要素を反映して動くからだ。
* * *
それにしても、人間の感覚は不思議である。2010年を100とした指数ベースで世界のコモディティ価格を冷静に見れば、穀物価格は15年で約1割高、肥料も2割高ほどの水準である。ところが、これは実生活の感覚とはかなり異なる。何より、日常生活で消費する各種の食品ではいまだに値上げが続いている。世界のコモディティ価格が落ち着いてきても、日々の家計はまだ落ち着かず、高値の影響が依然として継続している。
実のところ、現代日本の食品の多くは、原材料の買付けから輸送、保管、そして最終的に消費者の手元に届くまでにはとてつもなく長いサプライ・チェーンが存在する。
長いサプライ・チェーンは平時には相場変動の緩衝機能を担うが、異常時には変化の伝達に差が生じ、産地と消費地の価格変動に時差のような影響が出る。さらに、人間の感覚として、自分に都合の良い時や安い時は黙って見逃しがちになるが、意に反した動きになると反応は素早い。その上、ある状態が余りにも長いと、それが常態化し、そもそも何が異常なのかがわからなくなる。
そうは言っても、個人経営の飲食店などでは世界の動向より日々の調達原材料価格の方が重要である。今や、日本では国内産地と同様、日々の食品や飲食を提供してくれる多様な食品製造業やスーパー、フードサービスなどを今後どう守るか、これも決定的に重要な問題になりつつある。
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