2015年度は回復基調へ 農林中金総研見通し2014年12月2日
農林中金総研が発表した2014年?16年度の経済見通し(11月20日発表)によると、消費税増税の先送り判断が奏功し、15?16年度の経済は回復基調に向かうと予測している。
◆消費増税「タイミング見誤り」
農林中金総研は、安倍政権の経済政策について大胆な金融緩和と機動的な財政出動で、4月の消費税増税前までは、デフレ脱却に向け物価上昇率が1%台前半まで高まったほか、一部業種・職種での人手不足感が強まるなど、マクロ的な需給バランスが大きく改善したと評価。しかし、消費税増税で国内景気は一転して停滞感が強まり、7?9月期のGDP第一次速報では年率換算で前期比▲1.6%と4?6月期に(同▲7.1%)続き2四半期連続のマイナス成長となった。
同総研はこの原因を「消費税増税のタイミングを誤ったからに他ならない」と指摘した。
◆14年度成長率▲0.5%
アベノミクスによる円安や株高の進行で資産効果が発生、高額品の売れ行きが底堅く推移したが、それは所得水準が高かったり、資産規模が大きい層で見られた現象で国内全体の動きとは言い難かった。増税前の駆け込み需要も想定を上回ったが、その背景には所得が増える展望が描けないという実情があった、とも総研は指摘し、「アベノミクス始動から1年弱しか経過していない状況では所得のボトムアップは図られておらず、消費税増税を無難に乗り切ることが可能とした判断は、明らかにミスだった」と分析した。
そのうえで今回の消費税の再引き上げの先送り判断は、「財政健全化にとっては悪材料に見えるが、デフレ脱却前に、需要削減効果のある増税措置が財政赤字削減に効果があるかは疑問」だとして、経済成長とのバランスをとった安全策に移行したと評価できるという。 こうしたなかで10?12月期以降はプラス成長に転じるものの、14年度は実質成長率は▲0.5%、名目成長率は1.2%(9月時点はそれぞれ0.2%、1.9%のため、大幅な下方修正)と予測した。
ただ、この秋の金融追加緩和策や、足下の資源価格の下落、円安定着などの効果もあり、15年度は名実とも1.5%、16年度も実質1.5%、名目2.0%のプラス成長を予測している。
(関連記事)
・農林水産物輸出の危うさ(2014.12.01)
・【シリーズ・いま!食のマーケットは】第7回 階層化する消費者の変化にどう対応するか(2014.11.18)
・実質賃金下がり物価は上がる 総務省(2014.11.04)
・消費税10%引き上げに意見書 コープネット(2014.10.14)
・景気の戻り鈍く足踏み感も 農林中金総研見通し(2014.08.21)
重要な記事
最新の記事
-
米の作況指数の公表廃止 実態にあった収量把握へ 小泉農相表明2025年6月16日
-
【農協時論】米騒動の始末 "瑞穂の国"守る情報発信不可欠 今尾和實・協同組合懇話会委員(前代表)2025年6月16日
-
全農 備蓄米 出荷済み16万5000t 進度率56%2025年6月16日
-
「農村破壊の政治、転換を」 新潟で「百姓一揆」デモ 雨ついて農家ら220人2025年6月16日
-
つながる!消費者と生産者 7月21日、浜松で「令和の百姓一揆」 トラクターで行進2025年6月16日
-
【人事異動】農水省(6月16日付)2025年6月16日
-
3-R循環野菜、広島県産野菜のマルシェでプレゼント 第3回ひろしまの旬を楽しむ野菜市~ベジミル測定~ JA全農ひろしま2025年6月16日
-
秋田県産青果物をPRする令和7年度「あきたフレッシュ大使」3人が決定 JA全農あきた2025年6月16日
-
JA全農ひろしまと広島大学の共同研究 田植え直後のメタンガス排出量調査を実施2025年6月16日
-
生協ひろしま×JA全農ひろしま 協働の米づくり活動、三原市高坂町で田植え2025年6月16日
-
JA職員のフードドライブ活動で(一社)フードバンクあきたに寄贈 JA全農あきた2025年6月16日
-
【地域を診る】「平成の大合併」の傷跡深く 過疎化進み自治体弱体化 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年6月16日
-
いちじく「博多とよみつひめ」特別価格で予約受付中 JAタウン2025年6月16日
-
日本生協連とコープ共済連がともに初の女性トップ、新井新会長と笹川新理事長を選任2025年6月16日
-
【役員人事】日本コープ共済生活協同組合連合会 新理事長に笹川博子氏(6月13日付)2025年6月16日
-
【役員人事】2027年国際園芸博覧会協会 新会長に筒井義信氏(6月18日付)2025年6月16日
-
農業分野で世界初のJCMクレジット発行へ前進 ヤンマー2025年6月16日
-
(一社)日本植物防疫協会 第14回総会開く2025年6月16日
-
農業にインパクト投資を アンドパブリックと実証実験で提携 AGRIST2025年6月16日
-
鳥取・道の駅ほうじょう「2025大大大スイカフェスティバル」22日まで開催中2025年6月16日