鶏腸管内の食中毒原因菌カンピロバクター減少 低濃度でもトリプタンスリンに効果 農研機構2023年10月18日
鶏肉を主な原因食品とするカンピロバクターによる食中毒が大きな問題となる中、農研機構は、植物性化合物トリプタンスリンが、カンピロバクターの鶏腸管内菌数を低濃度でも減らす効果を持つことを初めて明らかにした。トリプタンスリンを用いた植物性飼料等を開発することで、この菌による食中毒の低減につながることが期待される。
カンピロバクターによる食中毒の主な原因食品は、生または加熱不十分な鶏肉。カンピロバクター感染鶏は無症状であることが多いが、腸管内にはこの菌が多く存在するため、糞便を介した他の鶏への感染や、食鳥処理の過程での消化管内容物の可食部への付着と交差汚染により、フードチェーンの中で汚染の拡大が起きると考えられている。そのため、より安全・安心な鶏肉生産に向けて、鶏腸管内のカンピロバクター菌数を低減する技術や資材の開発が求められている。
農研機構は、タデアイ等の植物に高濃度に含まれる植物アルカロイドの一種であるトリプタンスリンが、食中毒の原因となるカンピロバクターに低濃度で抗菌作用を示すことを初めて明らかにした。これまで報告された他の植物性化合物より、トリプタンスリンはカンピロバクターへの抗菌作用が強く、低濃度の飲水投与でも鶏腸管内の菌数を大幅に低減させることがわかった。また、鶏の体重増加(増体率)への悪影響は確認されなかった。
現在の養鶏産業ではハーブなど植物性原料の様々な機能性に着目した飼料製品が、鶏の健康や生産性、ひいては鶏肉や鶏卵の食味と安全性の向上のために広く利用されている。
今後、トリプタンスリンを用いた鶏のカンピロバクター感染を制御する植物性飼料及び動物用医薬品を開発することで、カンピロバクター食中毒の発生低減につながることが期待される。
重要な記事
最新の記事
-
米の作況指数の公表廃止 実態にあった収量把握へ 小泉農相表明2025年6月16日
-
【農協時論】米騒動の始末 "瑞穂の国"守る情報発信不可欠 今尾和實・協同組合懇話会委員(前代表)2025年6月16日
-
全農 備蓄米 出荷済み16万5000t 進度率56%2025年6月16日
-
「農村破壊の政治、転換を」 新潟で「百姓一揆」デモ 雨ついて農家ら220人2025年6月16日
-
つながる!消費者と生産者 7月21日、浜松で「令和の百姓一揆」 トラクターで行進2025年6月16日
-
【人事異動】農水省(6月16日付)2025年6月16日
-
3-R循環野菜、広島県産野菜のマルシェでプレゼント 第3回ひろしまの旬を楽しむ野菜市~ベジミル測定~ JA全農ひろしま2025年6月16日
-
秋田県産青果物をPRする令和7年度「あきたフレッシュ大使」3人が決定 JA全農あきた2025年6月16日
-
JA全農ひろしまと広島大学の共同研究 田植え直後のメタンガス排出量調査を実施2025年6月16日
-
生協ひろしま×JA全農ひろしま 協働の米づくり活動、三原市高坂町で田植え2025年6月16日
-
JA職員のフードドライブ活動で(一社)フードバンクあきたに寄贈 JA全農あきた2025年6月16日
-
【地域を診る】「平成の大合併」の傷跡深く 過疎化進み自治体弱体化 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年6月16日
-
いちじく「博多とよみつひめ」特別価格で予約受付中 JAタウン2025年6月16日
-
日本生協連とコープ共済連がともに初の女性トップ、新井新会長と笹川新理事長を選任2025年6月16日
-
【役員人事】日本コープ共済生活協同組合連合会 新理事長に笹川博子氏(6月13日付)2025年6月16日
-
【役員人事】2027年国際園芸博覧会協会 新会長に筒井義信氏(6月18日付)2025年6月16日
-
農業分野で世界初のJCMクレジット発行へ前進 ヤンマー2025年6月16日
-
(一社)日本植物防疫協会 第14回総会開く2025年6月16日
-
農業にインパクト投資を アンドパブリックと実証実験で提携 AGRIST2025年6月16日
-
鳥取・道の駅ほうじょう「2025大大大スイカフェスティバル」22日まで開催中2025年6月16日