【全国JAコンプラ実践セミナー講演より】隠蔽が"事件"に直結 中島肇弁護士2024年12月16日
JA全中は11月28日、東京都内で令和6年度全国JAコンプライアンス実践トップセミナーを開いた。内部統制、コンプライアンス、不祥事やハラスメントの防止について報告と講演を受け、JAの信頼を守り職員のやりがいを生み出す役員のリーダーシップを学んだ。
中山・男澤法律事務所 高仲幸雄弁護士の講演要旨についてまとめた。
【講演4】不祥事対応にかかる役員責任・役員のリーダーシップについて
中島肇法律事務所 中島肇弁護士
現場の不正が何らかの機会で発覚し、それを役員が隠蔽(いんぺい)し、その後内部通報等で発覚し「事件」になる。これが不祥事件のよくあるパターンだ。
現場の不正がなぜ初期に発見、阻止できないか。
経済事業では商品ごとに商慣習が異なり、帳簿だけではわからない。在庫の管理、実地棚卸はどうやっているか、現場を見て実情を把握する必要がある。
役員が不祥事件を隠蔽するのはなぜか。多くの場合、隠蔽の理由は、不正をした部下への温情からで悪意はない。だがそれは「時代遅れの昭和の発想」である。
「全社一丸で頑張ろう。頑張ってる社員は、若干の問題があっても守ってやる」が昭和の発想だ。目標が明確な時代にはいいが、そうではない今の時代、「全社一丸」はリスクが大きすぎる。多様な社員が知恵を出し合い試行錯誤することが重要だ。
隠蔽が裁判で問われたのがダスキン社株主代表訴訟である。同社は、ミスタードーナツ(MD)というチェーンを展開している。MDは肉まんの原料を輸入していたが、輸出国では適法だが日本では禁止されている添加物が含まれていた。外部業者から指摘があったが、売却済みだったこともあり隠蔽を決めた(その後発覚)。
裁判所は、「自ら進んで事実を公表し消費者の信頼を取り戻すために行動すべきだった」と判決で説いた。苦しい結論だが、これが今の時代の経済感覚である。
今の時代、不祥事は簡単に公益通報される。公表するかどうか決断を迫られた時は「内部通報されたらどうなるか」を念頭に置いて考えてほしい。
公益通報者は法的に保護される。むしろ内部通報を積極的に利用し内部統制を構築することが望ましい。不祥事を役員が知らなかった場合、法的責任は問われないといわれるが、報酬自主返納など道義的責任を問われることがある。
「挑戦による失敗は許す。しかし不正は隠蔽しない」が結論だ。
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