【全国JAコンプラ実践セミナー講演より】「働きがい」常に頭に 農水省 菊地護経営・組織対策室長2024年12月16日
JA全中は11月28日、東京都内で令和6年度全国JAコンプライアンス実践トップセミナーを開いた。内部統制、コンプライアンス、不祥事やハラスメントの防止について報告と講演を受け、JAの信頼を守り職員のやりがいを生み出す役員のリーダーシップを学んだ。農林水産省経営局協同組織課 菊地護経営・組織対策室長の講演要旨についてまとめた。
【講演2】農協におけるコンプライアンスの確保について
農林水産省経営局協同組織課 菊地護経営・組織対策室長
令和5年度の規制改革実施計画では、農協におけるコンプライアンス・ガバナンス態勢について農水省は、①コンプライアンス・ガバナンス態勢構築②労働関連法令の遵守やハラスメント防止、働き方改革③人的資本投資促進――のため、方策を検討し必要な措置を講ずるよう書かれている。
農水省が各県域に実施しているヒアリングによると、コンプライアンス・ガバナンス態勢の整備状況は「3線モデル」に関し2線部門が独立していない、理事会の機能発揮が不十分、人事ローテーションの不徹底などが挙げられた。必要性は認識されているが職員の数や質が足りない中、課題を抱えている。
公益通報については、すべての職員への周知と併せ心理的安全性の確保が重要だ。罰則がなくても、通報者へのプレッシャーや通報者探索は許されない。公益通報は心理的安全性が確保されしっかり運用される限り、組織を守る制度でもある。
不祥事件が起きたあるJAのアンケートによると、事業推進目標を持つ職員の70%が「過大」と、30%が「必要としない物品購入や契約の強要」を受けたと回答し、職場環境への不満もうかがえた。
職員が意思・意欲を持たなければ規程やマニュアル遵守はできない。合理的目標、職員の理解と納得、適切な指導、能力を持った管理職養成が必要だ。
多くの県域で、職員の離職や採用困難を抱えている。不祥事件に伴うイメージ棄損、過度な推進目標に伴う負担感も一因ではないか。コンプライアンス確保、働きやすさ・働きがいある職場環境への取り組みが強く求められる。離職防止、定着率向上では、若手職員の声に耳を傾け他業態の動きも参考にしてほしい。
あいち知多農協では「アグリスウェイ」を制定し、意識改革に根気強く取り組み成果を上げている。みなさま方のJAの実態に合うような取り組みを進めていただければと思っている。
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