協同組合で雇用創出 仕事起こし地方創生へ JC総研が公開研究会2015年7月30日
地方における新たな雇用の創出は、政府の唱える「地方創生」にとっても喫緊の課題である。そこで協同組合組織は雇用創出にどのように貢献できるかー。このテーマで、一般社団法人・JC総研は7月18日、東京で公開研究会を開いた。
公開研究会では、EUにおける協同組合の均等労働について、柳沢敏勝・明治大学教授と、労働者協同組合と地方議会・地方組織との連携のありかたについて、日本労働者協同組合の田嶋康利事務局長が報告および問題提起した。
◆非正規の解消も
柳沢教授は、職務内容と賃金体系が切り離され、賃金が生活給の性格を持つ日本の雇用スタイルを、生活に関係なく職務内容によって賃金が決まるEU諸国のような職務給に切り替える必要があると指摘。
特に日本では、正規雇用と同じ労働をしていても賃金が低いパートタイマーの存在を問題視。「同一労働、同一賃金」を基本とするフランスで、失業を防ぐため仕事を分け合う「ワークシェアリング」の政策が、労働時間の短縮にもつながっているとして評価する。
日本でも、福岡県のエフコープのように、フルタイムと定時の従業員で共通の考課表を使うなど、人事制度の統一を試みる生協が出ている。
同教授は「生協がきちんとした雇用を実践し、成功事例を示すことで、一般企業にも普及させ、ゆくゆくは社会のありようを変えることができるのではないか」と、エフコープの資料を踏まえ、協同組合組織の役割を強調した。
◆目的優先で連携
新しい仕事を起こし、よい仕事をして地域社会の主体者になる。労働者協同組合はこれに挑戦している。日本労働者協同組合は「働く機会を自発的に創造する」ことで、2014年度事業高317億円、就労者1万3000名を実現した。
特に地方自治体や生協、JA、農業法人などさまざまな団体・組織と連携した事業は全国に広がっている。
報告のあった宮城県登米市緊急雇用企業型人材育成事業では、被災した失業者を雇用し、就労や起業のための資格取得の機会を提供。さらに第1次産業(地域資源)と福祉によるまちづくり、仕事づくりに取り組んでいる。具体的には「農カフェ」や農業・加工・農家レストラン・直売所などで、生活支援の仕組みづくりなどがある。
田嶋事務局長は協同組合組織の連携・ネットづくりについて、「とかく同質性を求める傾向があるが、誰と連携するかではなく、何を目的に協同するかがポイントだ」と指摘した。なお、今回の研究内容は、同じテーマで前回6月に開いた研究会と合わせ、JC総研の協同組合研究誌「にじ」の秋号に掲載する。
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