最新の営農情報が集合 担い手アグリサミット JA全農ひろしま2019年11月5日
JA全農ひろしまは10月30日、31日の2日間、JA西日本営農技術センター(広島県東広島市)で「JAグループ担い手アグリサミット2019」を開いた。JA全農の山崎周二理事長も駆けつけ、30日のメディア懇親会では「全農リポート2019」をもとに5年後、10年後を見据えた全農の示す方向や農泊など新たな取り組みについて改めて説明した。
最新の農機具に触れようと多くの担い手が訪れた
JA全農ひろしまが企画し、今年で4回目となる担い手アグリサミットは、生産の現場に向けて新技術を中心とした営農や販売支援の情報を総合的に発信。これまでは県内の担い手のみを対象としてきたが、今回は中国四国の他県からの参加もあり、2日間で昨年を大きく上回る864人が来場した。
オープニングセレモニーでJA全農ひろしまの水永祐治県本部長は「担い手からの意見や要望を直接聞ける場をめざしている。今回は全農の販売力強化における取り組みやトータルコスト低減に資する技術や資材も紹介する。時間の許す限り情報収集をしてほしい」とあいさつした。


JA全農の山崎周二理事長はJAグループと全農の進む道を改めて説明した山崎理事長(左)と
開会のあいさつをするJA全農広島の水永祐治県本部長
会場では自動飛行ドローンや自動走行トラクター、ラジコン草刈機など最新のスマート農機の展示や実演会が行われ、31か所の展示ブースでは農業ICTや最新農機、省力・低コスト栽培の提案などスマート農業の今を知るための様々なメニューが用意された。
同時に、「水稲・園芸収量品質向上対策」「トータルコスト低減に向けた取り組み~農業機械及び園芸資材」など2日間でトータル8つのテーマでセミナーも行われた。
初日に行われた「環境に配慮したトマトへの病害虫防除~殺虫から制虫へ」に参加した広島市で施設園芸の農場を営む30代の担い手は、「ちょうど困っていたので、新しい農薬を知ることができてよかった。情報は自分の足で探すものなのでこういう機会は本当にありがたい」と話した。また、同じく広島市でトマトなど園芸作物を栽培する30代の担い手は「ほ場が広島市内の住宅街の中にあるので毒性の強い農薬は使いたくない。いまは人間には無害でちょっとひねりの入った殺虫方法のものも増えてきているのでそういう情報も知りたい」と話していた。

ナイルワークスやXAIRCRAFT JAPANなど農業用ドローンによる散布の実演が行われた
一方、主に水稲を作る農事組合法人を東広島市で経営する69歳の担い手は「収量向上対策と病害虫の最新情報を知りたい。中でもスマート農業とか機械化というが我々年配でも可能なのか。ドローンで省力化してもコストに合うのかなど知識を習得するのが今回の大きな目的」と語った。
展示ブースでは低コスト肥料農薬や省力肥料農薬の紹介やミニ実演を実施。見学したJA佐伯中央の中山誠治理事は「単協としては在庫を極力抑えるため農薬、肥料の品目を絞らざるをえない。担当者の好き嫌いもあって種類をまんべんなく置くのは難しいが、単協が案内していないものもたくさんあるのでとても勉強になる」と語った。
会場となったJA西日本営農技術センターは、JA全農ひろしまが平成24年から運営している。2.2haの敷地に実験農場と研修施設を備え、収量・品質の向上や新たな栽培技術の確立、生産資材の研究などさまざまな取り組みを行っている。

クボタ、井関などラジコン草刈機の実演ではリモコン操作の体験も

その試験ほ場を使い、タマネギやホウレンソウの省力化と機械化の一貫体系として土づくり、播種、収穫、下葉・根切処理、軽量、包装など各作業に特化した機械の実演も披露。中でも、クボタのホウレンソウ収穫機「SPH400」は、4条を同時に収穫できるため、手作業と比べて約10倍と高い能率で作業が進む注目の機械。腰をかがめた従来の鍬による刈り取りより体がずいぶん楽になる。排ガスが出ないバッテリーエンジンで稼働するため、ハウス内の空気がクリーンに保たれ、軽トラックに載せて運べるため離れたほ場でも使えるという。
手作業より約10倍の効率アップを図れるホウレンソウ収穫機の実演
一方、農業ICT専門ブースでは全農が進める営農管理システム「Z-GIS」をはじめ、NTTドコモのほ場管理ツール「アグリノート」などの紹介、相談コーナーを設置。ほ場を飛び地で管理しているという担い手は「いま、ほ場の情報は自分の頭の中にしかない。若い人に引き継ぐためにもこういう技術を取り入れていければ」と話していた。

ICTブースには、日ごろの疑問や課題を解決するヒントを得ようと多くの担い手が訪れた
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