「レタス1箱 農家手取りは200円」 生産現場の厳しさ理解を 政策推進全国大会2023年5月15日
JA全中と全国農政連は東京都内で令和5年度食料・農業・地域政策推進全国大会を開いた。会場にはJA関係者ら800人が参集、オンラインも含めて4000人が参加、与党国会議員に基本法見直しなどJAグループの政策提案を行った。
中家徹JA全中会長
大会では中家徹JA全中会長が政策提案のポイントを説明。平時を含む食料安全保障の強化を基本法の目的として位置づけることや、国産への切替と備蓄の強化、再生産に配慮した適正な価格の形成の仕組みの早急な具体化などを求め、「基本法と関連法案、制度の見直しが今後、数10年にわたって農政の新たな指針となるようJAグループの総力を挙げて取り組んでいく」などと述べた。
江藤拓・自民党総合農林政策調査会長
政策提案を受け、江藤拓・自民党総合農林政策調査会長は「輸入から国産への切り換えは今回の世界的な危機のなかで明かになった。食料だけではなく肥料、飼料も海外に頼っており、日本の農業構造は海外にし過ぎている。これを大転換していかなければならない」と述べたほか、価格転嫁についても「このままの価格帯では現場は立ち行かない。生産現場が倒れれば最終的に困るのは国内の消費者のみなさん。国民の生活を支えているのは1次産業であるという誇りを持ってしっかり消費者のみなさんとも対峙していきたい」としたほか「農業を若者が夢を託するに値する産業となるよう構造改革も進めていきたい」と話した。
稲津久・公明党農林水産業活性化調査会長
稲津久・公明党農林水産業活性化調査会長は、基本法見直しの方向について「不測時にどういう対応ができるのか、政府全体で意志決定を行う体制を検討しなければならない。平時も国内で生産できるものは国内でできるだけ生産していく。備蓄体制を強化することも避けて通れない」と指摘したほか、「農業経営ビジョンを大きく前に進めていくことが大事だが、そのためは経営安定策の施策や予算をしっかり確保していくことを重視していきたい」と述べた。
大会では農業現場の厳しい現状を訴える2人が意見表明した。
【JA北海道中央会・串田雅樹副会長理事】

我々は引き続き農地をフル活用していく一方、環境負荷軽減に配慮しながら、需要が期待される食料、自給飼料の生産を行うことが食料の安定生産や供給責任を果たすことにつながり、食料安全保障の強化に資すると考えている。
こうした取り組みを進めていく際には生産現場の努力に加え、農業所得の確保をはじめとする力強い政策支援がなされることが不可欠である。情勢変化を踏まえた政策の確立に向け尽力を。
作物別にも多くの課題を抱えている。
生乳生産では北海道の指定事業者に出荷する生産者は必死の思いで生産抑制を行い、離農を余儀なくされた仲間も多くいる。
一方で指定事業者以外に出荷する生産者は北海道外への移出を増やすなど、全国の需給に影響を及ぼすとともに、生産者間に不公平が生じている。需給の安定が図られなければ食料安全保障の強化は実現されない。このため畜安法(畜産経営の安定に関する法律)の目的が果たされているのか検証していただき、生産者間の不公平感が生じない実効性ある改善を願う。
ほかの作物についても食料安全保障の強化に向けて、基本法の見直しと併せて、作物別の法律や制度検証のうえ、必要な見直しを行っていただきたい。
私たちは国民のみなさんへの安全・安心な食料の供給を今後もしっかり責任を持って果たしていきたい。そのために農業所得の安定、恒久的な保障の確立に向けて尽力願いしたい。
【福岡県農政連・八尋義文委員長】

経営は水田7ha、施設園芸80aの中小規模の専業農家である。28歳の息子が後を継いだ。しかし、厳しい農業情勢のなかでまともな給料を払うことができない。日本全国、同じ思いをしている生産者は少なくない。
一昨年、昨年と農畜産物の価格が下落し、サニーレタスは1箱から200円、300円の手取りしかないと若い青年部員が嘆いていた。真冬のしっかり霜が降りた畑でひざまずいて、一生懸命にレタスを収穫する青年部員の姿を見ると本当に心が痛む。
このような価格でいいでしょうか。精一杯、農業を営み、県民のみなさん、国民のみなさんに米、野菜を届けてきた。生産現場の苦労をしっかり分かっていただきたい。そのことによって農畜産物の価格が上昇するのではないか。価格転嫁と言っても農業現場の実情が分からないと本腰入れての価格転嫁にならない。価格転嫁に向けた尽力を願いたい。
まだまだ精一杯農業を続けていく。JAグループとともにこの厳しい現状に闘っていこう。
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基本法見直しと食料・農業・地域政策推進に向けたJAグループの政策提案【全文掲載】
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