「いつも」も「もしも」も国産で 「国消国産×防災」イベント 全中2025年10月17日
JA全中は10月16日の「国消国産の日」に国産食材の重要性と防災意識を高めることを目的に東京・大手町のJAビルで「国消国産×防災」イベントを開いた。
JAグループは10月16日を「国消国産一斉行動日」と設定し、JAグループ各組織で一斉に情報発信を行った。
JAビルのミノーレでは農林水産省食料安全保障室の横田賢三課長補佐が「災害時に備えた食品の家庭備蓄」を解説した。
農水省によると東日本大震災では、スーパーで食料を調達できたのは発災後、数日経ってからで、発災当日は近所の炊き出しで食事をし、避難所に食料備蓄があったのは全体の3割程度だったという。熊本地震では発災後、多くのスーパーが営業を中止し、9日経っても2割が営業再開できなかった。
そのため食品の家庭備蓄が重要になるが、何かしら備蓄を行っている人の割合は64%だという。男女とも年齢が高い人が備蓄率が高く、また、地域によって取り組み状況も違い、東北、関東、東海では備蓄率が高い。
山野徹全中会長も来場し「国消国産」をPRした。
ローリングストックを
横田課長補佐は「自分や家族だけでなく、みんなのためにもなるので普段から無理なく必要な備えを」と話し、「ローリングストック」を勧めた。ローリングストックとは普段の食品を少し多めに買い置きしておき、古いものを食べて、食べた分を買い足すこと。これによって常に一定量が家庭で備蓄されていることになる。
ポイントは備蓄のために購入するのではなく、普段の買い物の範囲でできることや、買い置きのスペースを少し増やすだけでできること。目安は家族の人数の最低3日分。できれば1週間分を備蓄しておく。
備蓄食品にはローリングストックで災害時に備える日常食品と非常食もある。非常食は防災訓練などの時に実際に食べてみることが大事で、どのように食べるのかなどさまざまな気付きが得られるという。
また、栄養バランスを考えて食品を選ぶことが大事で、災害直後は炭水化物ばかりになりがちなため、タンパク質を摂取できる缶詰も重要になる。
水は命をつなぎ止めるために重要で5年から10年持つ長期保存型の水や、定期的に配達されるウォーターサーバーもおすすめだという。
水と同様に重要なことがカセットボンベなど熱源の確保。お湯が沸かせればレトルト食品やカップ麺、フリーズドライのスープなど食品の幅を広げることができる。
備蓄食品の収納テクニックでは、水は家の中のあちこちに分散して収納することや、取り出しやすいケースや箱に入れて「見える化収納」も大切だ。見える化すれば賞味期限のチェックもしやすい。
農水省は災害時に備えた食品ストックガイドや、実践事例などを家庭備蓄ポータルで情報公開している。
https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/
JAグループも防災食品を製造販売している。JAおきなわは「防災缶黒糖」を販売している。沖縄黒糖を100%使用して、水なしで栄養補給が可能な防災食。
そのほか、会場ではJAみえきたの「防災スタートパック」、JA全農の「防災食セット」、JAマインズの「備蓄用パン」、JAあしきたの「デコポン缶詰」、JA北大阪の「飲めるご飯」、JA鹿児島経済連のレトルトカレーセットなどが展示された。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(164)-食料・農業・農村基本計画(6)-2025年10月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(81)【防除学習帖】第320回2025年10月18日
-
農薬の正しい使い方(54)【今さら聞けない営農情報】第320回2025年10月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第114回2025年10月18日
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日