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JAの活動:IDACAの海外研修生に聞く

第1回 ジャマイカ農業漁業省ジャマイカ農業協会セントトーマス教区事務局職員 スケルヴィン・ドネッテ・ダシアさん(31)2016年7月15日

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JAは信頼のもとに人々が集まる組織

(一財)アジア農業協同組合振興機関(IDACA)はアジアをはじめとした途上国の農協組織づくりを支援しようとJAグループが1963年に設立した研修・教育機関である。設立からの53年間で国際協同組合同盟(ICA)やJICA(国際協力機構)からの受託研修生としてIDACAで学んだ人は121か国6200人あまりになる。今年度も5月中旬から7月はじめにかけてJICAから受託した研修で16か国18名が東京・町田市のIDACAを拠点に各地のJAなどを視察し研修を重ねた。今年度は初めてキューバ、ジャマイカからの参加もあった。4人の研修生に話を聞いた。

◆地域に合わせた営農と事業に学びたい

--ジャマイカ農業協会ではどんな仕事を担当しているのですか。

ジャマイカ農業漁業省ジャマイカ農業協会セントトーマス教区事務局職員 スケルヴィン・ドネッテ・ダシアさん(31) ジャマイカ農業協会は農業漁業省のもとにある専門機関で、私はその支部に勤務し、おもに農業者の組織化を担当しています。私自身もコミュニティに入って組織化の指導をしています。父親が農業をやっていて、小さい頃からいろいろな問題に直面している姿を見てきましたが、子どもですから手伝いたくても手伝うことができませんでした。そういう経験がありましたので他の人を助けたいという気持ちから農林漁業省に入りました。

--農業の現状は?

 80%が経営面積1.5ha~3ha程度の小規模、中規模農家です。機械化は進んでおらず伝統的な道具を使って耕作をしていますし、多くは中山間地域に暮らしています。
 農業者の組織化には政府も非常に力を入れています。組織化によって生産量を上げたり、金融を含めた行政サービスをきちんと受けられるように、という考えです。組織化は普及事業を効率的に進めるためでもあり、農家を集めて野外で教育を行ったりします。
 作物は輸出作物として、サトウキビ、コーヒー、ココア、ヤマイモ、かんきつ類、カボチャ、ホウレンソウ、レタスなどを作っています。輸出先はおもにアメリカと英国、カナダで、コーヒーは日本にも輸出しています。 ただ、食料自給率はカリブ海のなかでもいちばん低い国です。そこで政府は2年前にジャガイモ、サツマイモとタマネギ、長ネギ、ジャガイモの生産振興にためにアグロパークを設置して自給率を上げる取り組みを始めました。私たちの協会も国民の意識を高めるために、自分たちの国で作った農産物を食べようと地産地消キャンペーンを進めています。
 自給率向上は農業者の所得をいかに上げるかという問題にもつながっています。輸入食料は非常に安いのでどうしても消費者はそれを買ってしまいますが、国内産を買わないとなると農業者の所得は下がってしまう。より所得を確保するためにこの国で作ったものを食べましょうと推進することで農家所得を向上することに貢献するということです。
 実際にこの2年間でも明らかな効果があって輸入が減ってきました。キャンペーンの効果でもありますが、ジャマイカで作っている野菜の機能などの知識を伝えたり、どこでどのようにして作っているかも知らせています。農家も、消費者が知れば知るほどきちんとしたものを作らなければならないと生産の意欲が高まっています。ですからアグロパークに参加する農家も増えています。

--日本の農村、農協での研修で何を感じましたか。

 農業協同組合、JAという組織に人が集まって信頼のもとにサービスを提供していると思いました。農協が農業だけではなく、そこの地域共同体のニーズに基づいたサービスを提供していることは非常に印象的でした。結婚式場や葬祭事業もありましたし、JAがそういうニーズに対応していて、いろいろな機能を持っていることが分かりました。
 たとえば農家の生活といっても、さまざまな活動や場面があると思いますが、そのどこでも農協があるという、ひとつの大きな母体になっていて農家の生活を支えているという印象です。
 それからJAが提供しているサービスは中央集権的なものではなく農家の声をもとにしているということも印象的でした。中央集権ではなく分権的ということです。
 国や県の政策があったとしても、それぞれの地域の農協が地域にあった解釈をして農家のニーズをふまえながらサービスを提供していますね。多くの場合は上が決めたことを下に降ろしていくことが多いわけですが、今回の研修を通じて農家の声が下から上がっていく、そういうニーズをJAが具現化していることが分かりました。
 農協というのは、農家がこう言っているから、こういうニーズがあるから、ということで動いている組織だということが分かりました。それによって農家の利益を守っているということですね。

--今回の研修をどう活かしていきたいですか。

 まずは研修で得た知識や情報をみんなに知らせないといけません。それに行政の担当者と農家にも学んだことを知らせていきたいと思います。
 ポイントは、日本の農家はどのようにして自らこうした組織をつくって活動しているか、どのようにしてその組織のもとで営農に取り組んでいるかということを説明したいと思います。ジャマイカでも農家が自分たちで協同組合をつくっていくような取り組みを進めたいと思います。
 女性部が取り組んでいる生活活動も重要だと思いました。福祉が非常に大きな活動になっているようですが、やはり農業をしっかり営んでいくためには健康が確保されなければなりません。そういう面では福祉活動も同時にやっていく必要がありますし、加えて信用事業や保険もあります。とくに医療関係の共済はジャマイカにはありませんから、これに農協が取り組んでいることは素晴らしいことです。
 もっと勉強して自分の能力を高めていきたいと思いますし、それによって農家の利益を守るような取り組みをどんどん進めて、農家のニーズを満たすような活動ができる組織を将来つくっていければと思います。

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