JAの活動:今さら聞けない営農情報
コンプライアンス5 農薬取締法その4【今さら聞けない営農情報】第63回2020年8月7日
農薬取締法その4です。
食品衛生法により基準値を超えて農薬が残留した農作物を流通させてはならないことになっています。農薬取締法は、農薬残留基準値を超えない正しい使い方ができるように、使用基準として、用法・用量・使用回数・収穫前使用日数等を定めています。
なので、使用基準を守って使用していれば、農薬残留基準値を超過することはありません。
ところが現状では、年間数十件の基準値超過の事例が発生しています。その多くは、輸入農産物での超過事例ですが、国内農産物でも少なからず基準値超過事例が起っています。
その要因は、実はほとんどが人為的なミスが原因です。このようなミスを起こさないためには、そのミスの内容を知り理解することが近道ですので、以下紹介します。
まず、「登録外作物への使用」です。農薬は作物ごとの残留試験結果をもとに基準値や使用方法が決められています。作物の形態や可食部の違いなどから、同じ農薬でも作物中の残留量が異なっています。また、登録外の作物では残留試験が行われておらず、一律基準(0.01ppm)が採用されていることも多いのです。このため、登録作物で使える濃度であっても、登録外の作物では簡単に残留基準値を超過してしまうことがあります。何より、登録外作物への使用は、農薬取締法違反になりますので、ラベルをチェックし作物登録があることを必ず確認して下さい。古い農薬などでは、昔登録のあった作物が登録削除になっていることもあります。このため、「昔使っていたから大丈夫」では間違いが起こる可能性があります。なので、必ず「有効期限のある新しい製品のラベルを確認する」ようにして下さい。
次に、「散布器具の洗浄不足」です。農薬は様々な剤型がありますが、水和剤やフロアブル、顆粒水和剤などは、水に希釈して使用します。この場合、散布薬液が散布器具のホース等を通過して噴頭ノズルから散布されます。散布を終えた時、全ての希釈液を器具内から出し切ったとしても、器具内には希釈液がまだ付着しています。
散布後に散布器具を洗浄しないと、器具内部に農薬希釈液が付着したままで固着することもあり、それが次回散布に使った時に薬液に溶け出してしまいます。
この薬液を前回散布した農薬に登録が無い作物に使用してしまったとしたら、意図せずに登録外作物への使用となってしまいます。同じ農薬の場合でも、散布液が一時的に濃くなってしまう可能性もあります。
なので、散布がおわったら、散布器具内部をきれいな水で3回は洗浄するようにすることが重要です。その際には、ホースだけではなく、ストレーナーやフィルターも忘れずにしっかりと洗浄するようにしましょう。
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