JAの活動:今さら聞けない営農情報
SDGs 14【今さら聞けない営農情報】第93回2021年3月13日
17のゴールと169のターゲットが定められたSDGs。「行動の10年」として、国民一人ひとりにできることをしっかりと考え、一歩踏み出す姿勢が求められています。「いまさら聞けない営農情報」では、SDGsのうち農業に関係する項目について、農業関係者がどのように取り組んだらいいのかを考察しています。
最初にお詫びです。前回「12.つくる責任 使う責任」をご紹介しましたが、そのターゲットを紹介する表のタイトルが、前々回の「11.住み続けられるまちづくりを」のままになっていました。表の内容は正しく、タイトルだけが間違っておりましたことをお詫びいたします。
さて今回は、SDGsゴール13番目「13.気候変動に具体的な対策を」を紹介します。
このゴールの意味は、「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」で、5つのターゲットがあります。
このターゲットの概要は表のとおりですが、農業に関係するターゲットは、13.1と13.3の2つです。農業は言うまでもなく、天候に左右される産業で、気候変動によって起こされる影響や被害はとても大きなものです。特に、近年は、集中豪雨や大型台風の襲来によってしばしば大きな被害を受けています。この他、温暖化によって、病害虫の発生様相の変化であったり、栽培適地の北上など、気温上昇による影響も既に起こっています。
それでは、2つのターゲットをみてみましょう。
まず、13.1「全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する。」です。農業における影響の大きな気候変動は、雨量の過剰や過少、風雪害、気温上昇です。
雨量の過剰については明渠や暗渠の設置や排水路の整備、過少については灌漑設備の整備が対策としてあげられます。風雪害については、風よけ設備の設置やハウスなど構造体の補強があげられます。気温上昇については、耐高温性品種の導入や栽培地域の北上、ハウスであれば冷却設備の設置などで対処することができます。
近年はこれらの対策の想定を上回る被害が起こることも多く、できるだけ起こり得る想定レベルを上げて対策を強化しつつ、根本原因である温暖化防止対策の強化にも、できるところから取り組まなければならないでしょう。
次に、13.3「気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。」です。これについては、農業界が気候変動によって起こり得るあらゆる現象と対策に一丸となって取り組み、それらを、農家はじめ、農業関係行政機関・研究機関、産業界まで農業界全体で共有できるようにしていく必要があります。最近スマート農業の発展からこれらのデータ、情報の共有化が進められていますので、それらが早期に完成し、普及していくことを期待しています。
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