JAの活動:今さら聞けない営農情報
土壌診断の基礎知識(18)【今さら聞けない営農情報】第248回2024年5月4日
みどりの食料システム法の施行によって国内資源を活用した持続型農業への転換が求められ、国内資源の有効活用に期待が高まっています。作物が元気に育つためには、光、温度、水、空気に加え、生育に必要な栄養素を土壌から吸収しますが、作物が健全に生育するには土壌の健康状態を正確に把握することが必要で、そのために土壌診断があります。現在、本稿では土壌診断を実施して土壌の状態を知り、正しい処方箋をつくるために必要な土壌診断の基礎知識を紹介しています。
前回から土壌診断項目別に改良方法の基礎知識をご紹介しており、今回は、塩基類の改良方法です。
土壌の塩基とは、カルシウム、マグネシウム、カリウムのことをいい、これらを総称して塩基類と呼んでいます。この塩基類の改良は、カルシウムが足りなければ足すといった単純なものではなく、それぞれの塩基同士を丁度いいバランスが保たれるようにする必要があります。なぜなら、作物による塩基類の吸収は塩基それぞれによる拮抗作用によって相互に抑制的に働くからです。例えば、カルシウムの吸収は、マグネシウムやカリウムが土壌中に多いと抑制されますし、マグネシウムの吸収はカリウムが多いと抑制されます。このため、塩基類の改良目標値は塩基飽和度と塩基の構成比率で表され、作物の種類と土壌の種類によって異なります。塩基飽和度(%)とは、土壌のCEC(陽イオン交換容量)値に占める塩基類(カルシウム、マグネシウム、カリウム)それぞれの割合の合計になります。
この塩基飽和度(%)を土壌の種類ごとの改良目標値になるよう調整します。その改良目標値は、地力推進基本方針に定められており、作物と土壌の種類に合わせて設定します。例えば、普通畑は褐色森林土であれば塩基飽和度70~90、黒ボク土であれば60~90という具合になっていますので、事前に改良目標値を確認して下さい。塩基バランスについては、石灰:苦土:カリがおおよそ5:2:1になるように、土壌診断結果にもとづいた不足塩基量を計算し、それに基づいて施肥量を決定します。
実際の施肥量は、土壌診断を依頼したJA等の指導機関に処方箋を書いてもらうと簡便ですが、塩基類の調整はこのような手順で行われていることを理解しておくと、もらった処方箋の意味が理解しやすくなります。
◇ ◇
本コラムに関連して、ご質問や取り上げてほしいテーマなどがございましたら、コラム・シリーズ名を添えてお問い合わせフォーム(https://www.jacom.or.jp/contact/)よりご連絡ください。
重要な記事
最新の記事
-
米の相対取引価格、3ヵ月連続で下がる 1月は3万5465円 契約数量は落ち込み2026年2月17日 -
協同の営みで地域再興 茨城県JA常陸組合長 秋山豊氏(2)【未来視座 JAトップインタビュー】2026年2月17日 -
米は白未熟粒増え、乳牛は乳量が減り、ミカン産地は大幅減 環境省が「気候変動影響評価報告書」 自給率向上の重要性示唆2026年2月17日 -
農研機構とJALグループが包括連携協定 イチゴ起点に世界へ発信2026年2月17日 -
消えた先物価格を活用した収入保険Q&A【熊野孝文・米マーケット情報】2026年2月17日 -
JAタウン「ココ・カラ。和歌山マルシェ」対象商品が20%OFF2026年2月17日 -
くだもの王国おかやまのブランドイチゴ「岡山県産晴苺フェア」開催 JA全農2026年2月17日 -
【中酪1月販売乳量】3カ月連続減産 受託酪農家9331に2026年2月17日 -
【消費者の目・花ちゃん】「ぬい活」と農体験2026年2月17日 -
【浅野純次・読書の楽しみ】第118回2026年2月17日 -
「ファーマーズ&キッズフェスタ2026」に出展 2月28日・3月1日、代々木公園で農業機械展示 井関農機2026年2月17日 -
日鉄ソリューションズと「農産物流通のビジネスモデル変革」事業提携契約を締結 農業総研2026年2月17日 -
女性部員が高校生に伝統料理を伝授 JA鶴岡2026年2月17日 -
国産ジビエの魅力発信「全国ジビエフェア」28日まで開催中2026年2月17日 -
香港向け家きん由来製品 北海道ほか5県からの輸出再開 農水省2026年2月17日 -
2026年度第10回「バイオインダストリー大賞・奨励賞」応募受付中 JBA2026年2月17日 -
「全国やきいもグランプリ2026」チャンピオンは「尾張芋屋 芋吉」2026年2月17日 -
「生活協同組合ユーコープ」と個別商談会を開催 山梨中央銀行2026年2月17日 -
富山のおいしい食と技が集結「とやま農商工連携マッチングフェア」26日に開催2026年2月17日 -
農機具全般のメンテナンスに「ファーマーズアクリア 農機具クリーナーストロング」新発売 ニイタカ2026年2月17日


































