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JAの活動:未来視座 JAトップインタビュー

外からの風入れ多様性育成(1) 茨城県JAやさと組合長 神生賢一氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年6月5日

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有機栽培部会が日本農業賞(集団組織の部)大賞を受賞するなど茨城県のJAやさとが注目を集めている。神生(かのう)賢一組合長は「つながりを大事に新しいアイデアや行動にチャレンジしたい」と先を見据える。JAの考え方や地域戦略を文芸アナリストの大金義昭氏が聞いた。

生協と有機耕やす 担い手と手を組み

JAやさと神生組合長

茨城県・JAやさと組合長 神生賢一氏

大金 JAやさと有機栽培部会の第52回日本農業賞(集団組織の部)の大賞受賞、おめでとうございます。昨年は日本農林水産祭でも内閣総理大臣賞を受賞されました。

神生 ありがとうございます。この部会は1997年に7人で立ち上げ、現在31人ですが、みな喜んでいます。地域でも話題になりました。部会メンバーは、全員「有機JAS認証」を取得し、付加価値の高い農業に挑んでいます。

東都生協との産直が76年に始まり、卵からスタートして野菜・果実・米・納豆と品目を増やしていった「地域総合産直」の取り組みが、部会発足の背景にはあります。96年には行政と連携して「環境保全型農業推進方針」を打ち出しました。

有機栽培部会の昨年度の販売高は1億8000万円になりました。  

99年にスタートした新規就農研修制度「ゆめファームやさと」が1年に1組のカップルを受け入れて2年間の研修を実施し、自立すると部会のメンバーになります。2017年からは、JA職員OBが代表を務めるNPO法人「アグリやさと」も石岡市が開設した「朝日里山学校」で毎年1組のカップルを育てていますから、部会ではこのところ1年に2組の担い手を新規に迎え入れていることになります。「アグリやさと」は昨年度「ディスカバー農山漁村むらの宝」にも選ばれています。

大金 「有機栽培になぜそこまで力を注ぐのか」といった反発は?

時代が"追いつく"

神生 なかったですね(笑)。慣行栽培と両立する形で定着しています。有機栽培は「みどりの食料システム戦略」で脚光を浴びていますが、「時代がようやく『やさと』(八郷)に追いついてきた!」といった感じです(笑)。今回の大賞受賞は、加えて「担い手」育成の取り組みが評価されたのかなと受け止めています。

むろん、長い間には紆余(うよ)曲折もありました。第一次オイルショックを背景に「やさと」に移住し、有機農業に取り組む「自給農場」を建設した「たまごの会」の挑戦が最初です。農場を出て現在も林地区で有機農業を続けている人もいますが、運営方針については内部でも議論があったようです。

大金 「契約派」と「農場派」とに分かれたとか!?

神生 発展的に思いをつなぐ人たちが、いまは「暮らしの実験室」と名を変えて頑張っています。

大金 外の人たちの新しい挑戦を、「やさと」の人たちがなぜ受け入れられたのですか。

神生 「土地を貸してもいいよ!」という「篤農家」が地元にいたことは大きかったでしょうね。加えて「やさと」に馴染もうとした外の人たちの努力もあったでしょうね。

大金 なるほど! 大賞受賞を機に新しい動きは?

神生 長年にわたり部会をけん引してきた地元農家のベテランが部会長を勇退し、東京から移住してきた若い世代にバトンタッチしました。新任の彼は地元のJC(青年会議所)などに加入した経験もありますから、新しい発想で部会をリードしてくれるものと期待しています。

大金 JAの生産物販売高は?

神生 37億円(昨年度)です。ピーク時にはおよそ50億円ありました。「特栽米」の稲作部会があるのですが、昨年は有機米研究会もできました。2万3000円で買い取るという日販連の話があり、やってみようかと!

「やさと」は傾斜地も多く条件は良くありませんが「適地適作」で採算を図りたい。地域を丸ごと消費者に届ける少量多品目の契約栽培モデルづくりに取り組んできました。「新規就農支援」や「農福連携」などを兼ねたJAの子会社「やさと菜苑㈱」(2012年設立)の事業もあります。

大金 出口戦略は?

神生 「顔が見える関係」を重視しています。その一つにJR東日本の関連会社との業務提携があります。友部駅の線路わきにある空き地で野菜を作らないかという話があり、引き受けたとか(笑)。石が多く苦労しましたが、30年来の「ご縁」で「〝駅そば〟の刻みネギを!」と言われ、生産者を募って「みどりの線路」というグループがカット用野菜を作り、JAカット工場で製品化しています。生協向けのミールキット(JAオリジナルの「食材セット」)の注文も増えています。お米も3分の1がJRに行っています。

納豆も販売しています。「やさと」産大豆を使い、JAが納豆工場を直営しています。東都生協の希望で共同開発したパッケージは、発泡スチロールでなく紙製です。先代組合長の同級生が東都生協の理事長で、声をかけていただきました。これからも「ご縁」を大切にしていきたい。

JAやさと組合長 神生賢一氏【未来視座 JAトップインタビュー】
外からの風入れ多様性育成(2)「顔の見える」ご縁 異業種とも連携 へ続く

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