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JAの活動:2021持続可能な社会を目指して 今こそ我らJAの出番

【特集:今こそ我らJAの出番】人を育て創造的改革を(2)JA太田市・天笠淳家組合長 JA栃木女性会・猪野正子会長 (司会・進行)・大金義昭氏2021年1月7日

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【将来の形】
次世代へ継承が鍵 猪野

主体的自立で底力 天笠

JA栃木女性会 猪野正子会長JA栃木女性会 猪野正子会長

――農協の「強み」は「協同活動」と「総合事業」にあり、この二つを掛け合わせることで、より強い底力が発揮できます。お二人は、それぞれの立場から農協の将来像をどのように描いていますか。

猪野 若い職員の意見は、なかなか上に届かないのが現実ですが、天笠さんのように「現場目線」でさまざまな機会や仕組みをつくり、トップ自ら「聞く」耳を持つ姿勢や聞いたことから必要な改革を実行するシステムが定着すれば、農協も大きく変わるのではないでしょうか。

私たち親世代は、意識の面でも行動の面でも農協とのつながりが強いのですが、若い世代や女性の意識をどうしたら農協に引きつけることができるかが大きな課題ですね。そのためにもお互いに本音の「対話」が必要で、そこでつかんだニーズを必ず実行し、農協を利用することのメリットを具体的に示すことが重要だと思います。

――世代交代が急速に進み、組合員の営農や生活が多様化している時代には、農協が組合員との既存の関係に甘えず、改めて一から「組合員づくり」をするような取り組みが求められているように思います。

協同組合の価値に対して高い意識を持ち、積極的に行動する組合員をつくること。これがアクティブ・メンバーシップの眼目ですよね。天笠さんが取り組む「ミッションを共有する職員づくり」は、いわば天笠さんの「分身づくり」ですね。

天笠 職員はいろいろな方向を向いていますが、それを同じ方向に向ければ大きな力になります。だから、職員の「底力」をどのように引き出すかを常に考えています。「ぬるま湯」の時代は終わり、連合会や国の支援も十分に期待できない時代ですから、農協はどうしたら主体的に自立できるか、経営基盤を確立できるかが直面する課題です。

それには組合員や地域の皆さんがどれだけ農協を利用し、農協を必要としてくれるか。役職員や組合員が同じ方向を向いたときにこそ、農協の底力が発揮できると確信しています。

毎月1回、新人職員とも昼食を共にし、対話しています。仕事上の悩みを聞き、アドバイスもします。組合長は"上の人"であるという彼らの意識を変えたいと思って始めたのですが、おかげで距離感が近くなっている感じがしています。

猪野 お互いの距離が近くなると、何でも言えるようになりますよね。そうした職場の雰囲気をつくり、組織の風通しを良くすることは、お互いの信頼関係を築くうえで、とても大事なことですね。私たち女性会も、役割分担を常に明確にして仲間の力を引き出し、さまざまな活動に結集する取り組みを長年にわたり積み重ねてきました。

天笠 農協は、初めに組合員ありきの組織です。職員には、「どんどん走り回れ」「まずは組合員に名前を憶えてもらえ」「君のファンをつくれ」と激励しています。

訪問した農家から「お茶でも飲んでいけ」と言われるようになって初めて、経済・信用・共済事業などの相談を受けるようになれるのです。まずは職員が個人的なファンになってもらうこと、これは総合事業を展開する農協の職員にとって不可欠です。

猪野 その通りです。女性組織も農協を支えるために、少しでも力になればと日ごろから魅力的なJAづくりにつながる活動を進めています。青年部も含め、共に協同組合の原点に立ち返り、同じ方向を向いて進みたいです。

【共同参画】
自分たちの農協へ 猪野

万人のため心掛け 天笠

――この国の男女共同参画の取り組みは、大変に立ち遅れている。農協もその例外ではありません。女性の底力を引き出せたら、農協は現在の2倍も3倍も大きな力を発揮できるでしょう。

猪野 人は仕事や立場が与えられれば頑張ります。その環境や条件をつくるのはトップであり、ほとんど男性です。農業の半分以上を担う女性たちは、家の経営や歴史ある組織活動で力をつけてきました。男女共同参画を進めていく上で、本気で応援していただきたいです。女性たちの勇気ある発言や行動を「女のくせに生意気だ」で終わらせず、よく話し合い、相互に理解し、それが農協運動に反映できるといいですね。常勤役員の中に、女性がいることが当たり前になってほしいです。

県の女性会も、農協の力になろうと組合員拡大運動を展開し、正組合員に占める女性の割合が県平均で21.4%になりました。さらに女性総代を増やしたいのですが、まだまだ地域から出すことが大変で、現在5.3%です。

今回、県の中央会が女性総代の拡大に向けて「地域、農業、農協の持続的成長には女性の活躍が必要です」というチラシを作成し、大きな支援をいただいています。うれしい限りです。女性理事は、粘り強く働きかけた結果、地域選出が少し増え、県平均で7.4%になりました。地域の理解ある支援が欠かせません。

天笠 「かかあ天下」の群馬県は女性が強いといわれますが、農協の女性理事は女性枠で2人、地区から1人、それに常勤監事1人です。総代は550人のうち、女性は23人に過ぎません。ただ、来年度から試験的に准組合員50人を地区から選び、総代会に出席してもらう予定です。議決権はありませんが、意見をしっかり聞きたいと思っています。総代会の一角を50人の女性が占めるようになれば、雰囲気も随分変わるでしょうね。

猪野 JAはが野でも、2006(平成18)年に女性総代30人、10年に女性理事3人が登用され、私自身も総代や理事を務めさせていただきました。その経験を生かし、今は次につながる人づくりに力を入れています。

――女性には男性に勝る「笑顔・コミュニケーション力・実行力・共感力」といった少なくとも四つの優れた能力がある。この能力を農協の「人的資源」として生かしていく積極的な姿勢がほしい。

ところで天笠さんには「思いを言葉に」というキーワードがありましたね。この言葉は、ナレッジ・マネジメント(個人の持つ知識や情報を組織全体が共有し、有効に活用することで業績を上げる経営手法)の一環なのですが、そこにはどんな「思い」があるのですか。

天笠 「思いを言葉に、言葉を形に」は全青協会長のときから考えていたことです。6万人の盟友が、自分たちの思いを農政にぶつけることができました。この先を考えると、「食と農」を守る農協や農業者に課せられる使命はいよいよ大きくなります。

農協はこれまでの豊富な経験を力に、農業や地域社会に必要不可欠な協同組合になるよう、役職員だけでなく、組合員にも変わってほしい。危機意識をみんなで共有し、この1年を、そしてその先の1年をどうするかで、SDGs(持続可能な開発目標)も含め、時代が求めている協同組合の課題に積極的に挑戦していく大きな責任が組合長にはあると考えています。

――出来そうですか。

天笠 やらなければ、農協の将来はないと思っています。やるのは私たち自身であり、青年・女性組織です。特に女性組織には頑張っていただきたい。

猪野 共に頑張りましょう。次の時代にこの組織を引き継ぎ、「自分たちの農協なのだ」と、みんなで確信が持てるような協同組合にしたい。そのために私たち女性組織も「食を守る」「農業を支える」「地域を守る」「仲間をつくる」「JA運動に参画する」を実践し、SDGsをめざしていきます。

――新型コロナ禍で「格差と分断」が深まっている社会だからこそ、農協の基本的な価値が輝きを増しているように思われる。「だれ一人取り残さない」という言葉は、農協が発信し続けてきたメッセージのようにも思われるのですが、まさに「ピンチはチャンス」です。

天笠 「一人は万人のために、万人は一人のために」の相互扶助の組織ですからね。農協の底力を、この際しっかり示して、後世に悔いを残さないようにしたい。

猪野 「組合員とともに農業、地域の未来を拓く」を合言葉に「地域になくては困る農協」「誰にでも愛される農協」をめざして支え合い、認め合える社会をつくりたいですね。

――農協が変わることで、社会が変わる。その変わり目にみんなが立っていて「創造的自己改革」に挑んでいるということですかね。

天笠 農協や農政を変えたいという思いが形になり、ポリシーブックや対話活動が生まれたのですから、政策提言に掲げた課題は、実践の現場からこれを解決するまで追求していこうと考えています。

――本日はありがとうございました。

文芸アナリスト 大金義昭氏文芸アナリスト 大金義昭氏

座談会を終えて

新型コロナ禍のさなか、座談会は栃木県真岡市で開かれた。天笠さんは群馬県太田市から高速道路を走って駆けつけてくれた。猪野さんは、イチゴハウスや大型乾燥施設などを家族ぐるみでオープンに案内してくれた。近隣の二宮神社や道の駅などを訪ねた後、初顔合わせとは思えない率直な会談となった。青年・女性組織の活動歴を踏まえた二人の農協に寄せる熱い思いに耳を傾けながら、「持続可能な開発目標」へ向けての農協のアプローチをさまざまに考えさせられた。課題解決に挑む二人の前傾姿勢にこそ、農協の未来を拓くカギがあるのだなと教えられた。(大金)

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