JAの活動:2025国際協同組合年 持続可能な社会を目指して 協同組合が地球を救う「どうする?この国の進路」
【JAトップ提言2025】農の再生へ国民運動を JA茨城県中央会会長、JA全農副会長 八木岡努氏2025年1月20日
第30回JA全国大会は「組合員・地域とともに食と農を支える協同の力~協同活動と総合事業の好循環」を決議した。2025年度はその実践の初年度となる。いうまでもなく地域によって課題は異なる。そのなかでどう戦略を打ち出すべきか、JA茨城県中央会会長でJA全農副会長の八木岡努氏に提言してもらった。

JA茨城県中央会会長、JA全農副会長 八木岡努氏
昨年、日本の伝統的酒造りがユネスコ無形文化遺産に登録されました。和食や和紙、伝統建築技法などに次いで日本での登録は23番目だそうです。伝統的祭事や芸能、神事などが多い中、広く日常に根付いた日本の文化を再評価するきっかけになったと喜んでいます。実は協同組合の理念に基づいた「協同組合において共通の利益を形にするという思想と実践」が2016年にドイツから提起され、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。人間の生活を豊かにする「文明」に対し「文化」は人間の心を豊かにするものだと思います。豊かな心を持った生活を営む上で、共通の利益、価値を通じたコミュニティーが社会問題を解決するためのアイデア創出、手段につながると認定されているわけです。一方で協同組合はグローバル市場の拡大、効率化や収益を問われる時代に合わせた規模拡大、合併などを余儀なくされ、徐々に組織内協同の衰退が問題視されています。「もうかる農業」は持続可能で高付加価値な農業を実現するために大事ですが、文化的に考えるとやりがいや誇りのある農業を営んだ結果でもうかるという順番であり、もうかる農業が実現することが農家のやりがいや誇りにつながるという考え方は企業的発想ではないでしょうか。
この点で気になったのが25年ぶりの「食料・農業・農村基本法」改正の議論です。ポイントは二つ、一つは人口減少に伴い農業従事者が減ることが前提、農地集約やスマート化によって効率的な農業にシフトしていく方向、二つ目は国民の多くが肉や油を使った食品を食べているのだから輸入食品、食材を安定的に確保して食料安全保障を実現していく。これでは将来に渡って農家を維持していこうと決意し、若者がやりがいと誇りを持ち続ける日本の農業の憲法とはどうしても思えません。
そこでJA グループ茨城は組合員も協同組合らしさを再認識する機会として、昨年10月に開催されたJA 大会に臨んでいこうと決めました。今年2025年が国際協同組合年にもあたることで、ちょうどいいタイミングでした。そこで私から三つお願いをしました。一つ目は茨城らしさを追求、二つ目は数値にこだわること、そして三つ目は決めたことは必ず実行することです。そこで提案されたのが「未来を耕すファンづくり」という、外からの目線で自らの組織を見て、消費者や新規就農希望者に選んでもらえるJAであるためにどうするかを考える内容となりました。例えば正組合員が茨城県で年間2000人づつ減少しているので、その減少を止めると宣言し、半農半xや食と農業に興味を持っている人たちをどうやれば仲間に招き入れることができるかに取り組んでもらうことになりました。また直近の利益につながらなくとも環境に配慮した農業に力を入れていく、その中でネオニコチノイド系農薬はできるところから削減することにしました。JA水戸が先行してネオニコを使わない米作りを5年間に渡り実践してきたところ、コウノトリが3羽来てくれるまでになりました。その取り組みを広げていくことが、未来の農地づくりに重要だとみんなが判断してくれました。地球温暖化で一番影響を受けるのが1次産業です。逆に二酸化炭素を吸収できる作物や森などの資源を有しているのも我々の強みです。どれだけ温室効果ガスを吸収できるかを見える化して、カーボンクレジットのような格好でマネタイズし農家に還元できる仕組み作りができればいいなと思います。
議論を進める過程では、4人の外部有識者の力を借りて積極的なアドバイスをいただきました。内側の論理だけで進めずに外から見えている姿を冷静に見極め、方向を軌道修正していくことも重要であることを、ご指導いただいき認識する機会となりました。
テーマにJAファンづくりを入れたのは、JAや農家がやっていることをきちんと伝えて評価してもらう、選んでもらえる存在になるためです。例えばみどりの食料システム戦略の目標となっている化学肥料30%減、化学農薬50%減を実現している特別栽培の野菜や米の価値をうまく差別化できず、作るのをやめてしまう農家まで出ています。これはJA側がもっと消費者の方々に価値を知ってもらうことに取り組まなければなりません。また、農業分野だけで頑張るのではなく、農業分野以外から支援してもらえるようなアイデアを出していく必要があります。スマート農業ならデジタル庁や総務省、IT企業などが農業を推進するイノベーションを起こしてくれるようなきっかけを作る。米は市場価格を気にせず作れ、輸出や他の食べ方を考えるのは我々に任せてくれと言われる存在に農業界がならなければなりません。ファンになってくれる企業や省庁をどうやって作っていけるか、JAグループ茨城と一緒に考えていこうというのがファンづくりです。ぜひ我々の取り組みに注目いただき、一緒に行動していただければ、日本農業は持続可能な産業になると考えます。
重要な記事
最新の記事
-
【育成就労制度で変わる農業現場】「国際貢献」から「人材の育成・確保」へ(2)2026年2月9日 -
【加工原料乳補給金】酪農家支援へ7万トン増2026年2月9日 -
女性農業者向け農業機械研修に協力 井関農機2026年2月9日 -
優れた作品に圧倒 受賞に誇り持って JA共済 書道・交通安全ポスターコンクール表彰式2026年2月9日 -
彩りも食感も「セルリー・パセリ・サラダ菜フェア」開催 JA全農2026年2月9日 -
『いわて牛枝肉共励会』最優秀賞「いわて牛チャンピオン牛フェア」開催 JA全農2026年2月9日 -
「ALL OF EVANGELION」コラボドリンク みのりカフェ福岡パルコ店で販売 JA全農2026年2月9日 -
衆院選で隠しきった高市氏の軍国主義【森島 賢・正義派の農政論】2026年2月9日 -
高校生にスマート農業特別授業を実施 サタケ2026年2月9日 -
亀岡市と「京都・亀岡保津川公園に係る協力協定」締結 日本農業2026年2月9日 -
無料ウェビナー「農業機械用伝動Vベルトの故障形態とそのメカニズム解析」開催 バンドー化学2026年2月9日 -
日本農業 13億円の資金調達 エクイティファイナンスによる累計調達額は57億円に2026年2月9日 -
独自イチゴ品種「SAKURA DROPS」シンガポールDON DON DONKIで展開開始 CULTA2026年2月9日 -
豪雪地・岩手県西和賀町の地域ブランド「青唐辛子」使用「激辛ご当地ラーメン」誕生2026年2月9日 -
害虫は捉えて天敵は活かす 植物の防御戦略の仕組みを解明 静岡大学2026年2月9日 -
豊橋バイオマスソリューションズとイオンアグリ創造が共同研究 今春からミニトマト生産開始2026年2月9日 -
多拠点生活とスキマバイトで労働力不足解決へ 関係人口創出プロジェクトを支援2026年2月9日 -
速効退治&持続効果を強化「草退治ストロングシリーズ」新発売 KINCHO園芸2026年2月9日 -
食育プロジェクト「学校給食ゆざごっつぉの日学習会」開催 生活クラブ2026年2月9日 -
出生祝いプレゼント 茨城町と子育て支援連携 パルシステム茨城 栃木2026年2月9日


































