協同の力を結集し 人・組織・地域を元気に 第62回全国家の光大会2020年2月27日
共感の輪を広げ育もう協同の心高めよう協同の力
(一社)家の光協会は2月18日、福岡市の福岡サンパレスホールで第62回全国家の光大会を開いた。「共感の輪を広げ 育もう協同の心 高めよう協同の力」をスローガンに、全国から愛読者やJA女性組織のメンバー、JAの役職員など2100人が参集した。
主催者あいさつをする家の光協会の中出篤伸代表理事会長
◆組合員の組織活動を活性化
主催者の家の光協会・中出篤伸代表理事会長はあいさつで、昨年、相次いで襲来した台風や、各地で多発する自然災害などにより人命や農林水産業に甚大な被害がもたらされたことへ見舞いのことばを述べた。また、JAグループで被災地支援に取り組んだこと、家の光協会ではJA全国女性組織協議会と連携した取り組みや『家の光』などで現状と奮闘する人たちの姿を全国へ発信したことなどに触れた。
そしてJAグループが組合員との対話運動を通してJA自己改革の実践に取り組んでいることに触れ、家の光協会は引き続き、各媒体で、JA自己改革や協同組合の理念をわかりやすく解説し、組合員組織活動の活性化や支店協同活動の支援を充実させるとした。さらに「アクティブ・メンバーシップ」の確立に役立つ記事を提供していることや、JA全国女性組織協議会と連携して、SDGsに関する企画を掲載していることなどを紹介し、記事活用・学習活動をつうじて、組合員とJAが一体となるよう、組合員の"幸せづくり"を支える「ハッピー マイライフ」運動を進め、全国展開を図っていくとした。
来賓の福岡県の小川洋知事は、農業は重要な産業であり、農業・農村をとりまく環境が変化する中で福岡県はイチゴの"あまおう"や八女茶の販売力強化、6次産業化やスマート農業の支援などに取り組んでいるなど福岡県の農政の方向を語った。
続いて(一社)JA全中の中家徹代表理事会長は、「JAにとって組合員の理解と協力が不可欠であるとともに、1人でも多くの方に農業・農村を支えたいと思っていただくことが不可欠」であり、『家の光』が果たす情報発信への期待を語った。
JA福岡中央会の倉重博文代表理事会長は、九州北部豪雨などの甚大な農業被害に、全国からの支援や県内JAグループの支援があったことへの感謝を述べた。そして第42回JA福岡県大会で決議したさらなる自己改革の実践について、組合員や地域の人たちから、真に"地域になくてはならないJA"として評価されるために、JA教育文化活動の充実が不可欠であり、『家の光』『地上』『ちゃぐりん』などの活用がいっそう重要になってきたなどと指摘した。
今回で70回目となる家の光文化賞は千葉県の市川市農協(時田正一代表理事組合長)が受賞した。この賞は昭和24年に制定されたもので、教育文化活動の取り組みが創意工夫に富み、家の光事業をJAの事業・活動のなかに明確に位置づけて成果を上げているJAを対象とし、これでまでに延べ283組合を顕彰してきた。
なお、家の光文化賞受賞JAには「ブラジル・コチア産業組合中央会記念賞」が贈られた。この賞は第二次大戦後の日本の惨状を知ったブラジル・コチア産業組合の組合員と職員の有志が、農村文化と農協運動発展のためにと募金を集め家の光協会に使途を託したもの。それを基金とした記念賞である。
◆感動と共感にあふれた体験発表
大会のメインである体験発表では、前日の17日に行った都道府県代表体験発表大会で東・中・西日本地区から選ばれた記事活用の部の6人と、普及・文化活動の部の3人が発表した。
記事活用の部で全国大会で発表したのは、▽JAありだ(和歌山県)の中田博子さん(「稲むらの火」と「私たちの地域」、「私たちのプロジェクト」)、▽JA梨北(山梨県)の齊藤けさ子さん(女性部活動の【見える化】と【組織の活性化】をめざして)、▽JA敦賀美方(福井県)の藤本和美さん(米農家の嫁がパン屋になりました)、▽JA高知県(高知県)の窪田理佳さん(地域につなごう! 女性部は宝箱)、▽JAおきなわ(沖縄県)の添盛(そえもり)文子さん(『家の光』と空飛ぶパイン)、▽JAおいらせ(青森県)の佐々木和枝さん(小さな手のひらに一冊の「光」)の6人。
普及・文化活動の部が、▽JAならけん(奈良県)の酒井昌穂さん(時代を越えて愛され続けるJAを目指して)、▽JAあつぎ(神奈川県)の井上美晴さん(これじゃダメじゃん! ~地域に必要とされるJAであるために~)、▽JA福岡市(福岡県)の宇都宮マミさん(未来につながる私の夢)の3人。この9人の発表者にはそれぞれ家の光協会会長特別賞が贈られた。
記事活用の部の最優秀賞の志村源太郎記念賞は福井県JA敦賀美方の藤本和美さんが受賞した。福井県の米農家に嫁いだ藤本さんは農業経営を大規模法人化するとともに、『家の光』に掲載された各地の米粉活用事例などの熱意に背中を押され、自らも米粉パンの製造を始めた。女性部の仲間とともに料理教室などで米粉のメリットや日本の稲作農業の理解を広げる活動につなげていった。「農業は日本人の食を支える大事な職業。米を育て加工することは地域を盛り上げる力」と話した。
審査委員長の村田武・九州大学名誉教授は「地域の水田の守り手として法人を経営し、また農業委員として活躍する一方、『家の光』の米粉の記事を読んだことをきっかけに米粉パンをつくり、料理教室などで、米の消費拡大を図り日本農業を守ろうという志はすばらしい」などと講評した。
(写真:「記事活用の部」の最優秀賞の「志村源太郎記念賞」を受賞した福井県JA敦賀美方の藤本和美さん)
普及・文化活動の部の最優秀賞の全国農業協同組合中央会会長賞は、神奈川県JAあつぎの井上美晴さんが受賞した。
井上さんは、子どもたちへの食農教育を親の世代に広げ、JAの魅力や地域での役割を発信していくための取り組みを発表した。しだいに食と農に関心を持つ親世代が増え、「地域との関係性を強めることで、協同組合意識が宿った地域に元気と笑顔を届けていく。それこそが私の使命」と発表した。
村田審査委員長は「子どもたちだけでなく、保護者世代をどう取り込むかを考え、PTA出前授業を行い成果を出している。これじゃダメじゃん! とぼやくだけではない、若い力を高く評価した」と講評した。
(「普及・文化活動の部」の最優秀賞の「全国農業協同組合中央会会長賞」を受賞した神奈川県JAあつぎの井上美晴さん)
また、今回、審査委員会特別賞が沖縄県JAおきなわの添盛文子さんに授与された。村田審査委員長は「女性部の活動目標にSDGsが役立つと考えたことや、石垣島で女性部活動としてカットパインを生産して直売所で販売したり、味噌づくりをしたり、"空飛ぶパイン"として飛行機で輸送し朝どりの生鮮パインアップルを全国へ販売するなど、元気な報告だった」などと審査委員会特別賞の授賞理由を述べた。
(写真:「審査委員会特別賞」を受賞したJAおきなわの添盛文子さん)
最後に、京都府JA京都やましろの十川洋美組合長が提案者となって、大会出席者全員で申し合わせ内容を確認した。閉会のあいさつに立った家の光協会の谷口節次副会長理事が、来年の第63回全国家の光大会を京都市で開催することを告げ、再会を期して終了した。
大会出席者全員で申し合わせ内容を確認
【大会申し合わせ】
わたしたちは、第62回全国家の光大会で学びあったことを、明日からのJA教育文化活動に活かし、人・組織・地域の幸せづくりをすすめるため、次のことを申し合わせます。
一、協同することのたいせつさを学び、農協運動に参加・参画する仲間を増やし、組合員の「アクティブ・メンバーシップ」を確立します。
一、支店協同活動や対話運動をとおして、「食」「農」「協同組合」への理解促進をはかるとともに、SDGsの実現に向けた取り組みをすすめ、地域に貢献するJAをめざします。
一、『家の光』『地上』『ちゃぐりん』『やさい畑』「家の光図書」の普及活用運動をすすめ、記事活用・文化活動をつうじて、協同の輪を広げます。
以上、実践することを申し合わせます。
(関連記事)
・藤本和美さん、井上美晴さんが最優秀賞 第62回全国家の光大会(20.02.19)
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