「食糧」への危機感増す-世界の環境問題有識者2017年9月14日
地球環境問題に関わる世界の有識者のなかで「食糧」への危機感がこの1年で急増したことが旭硝子財団の調査結果で明らかになった。また、今年の環境問題等への危機感を決める要因について回答者の過半数が「米国大統領選以降の政治状況に影響を受けた」と回答した。
(公財)旭硝子財団は1992年から毎年、世界の環境有識者(政府や自治体、研究機関、マスコミ、企業などの環境に関わる有識者)に「地球環境問題と人類の存続に関するアンケート」を実施している。
今年は130か国の2152名(昨年比14%増)から回答を得た。
同財団はアンケート結果から「環境危機時計」を発表している。今回の全回答者の平均危機時刻は昨年より2分針が進み、9時33分だった。2008年と並び調査開始以来、もっとも危機への時刻が進んだ。
とくに2013年以降は毎年進み続けており、今年は2013年にくらべて14分進んだ。同調査によると9時台は「極めて不安」領域を示す。(1時~3時「ほとんど不安はない」、3時~6時「少し不安」、6時~9時「かなり不安」、9時~12時「極めて不安」)
調査10地域のうち5地域(オセアニア、北米、アジア、日本、アフリカ)で針が進み、他の5地域(西欧、南米、中米、中東、東欧・旧ソ連)で針が後退した。調査開始以来、1996年、2000年を除いて常に9時台となっている。日本は針が8分進んで9時11分となったものの、世界平均の9時33分とは22分の差がある。 年代別に比較すると、2011年と2017年の危機時刻をくらべると、60代以上=15分、40・50代=33分、20・30代=58分それぞれ針が進んだ。若い世代の進み幅のほうが大きい。
調査では地球環境や人類の存続に関わる項目としては気候変動、生物圏保全性、水資源、食糧、経済と環境など9項目を挙げているが、危機時刻は、昨年同様、「生物圏保全性(生物多様性)」が9時44分でもっとも進み、ついで「食糧」が9時43分、「人口」が9時40分となった。
「食糧」は昨年は最下位で唯一8時台だったが、44分も針が進み危機感が急増した。
また、今回の危機時刻決定について「米国大統領選以降の政治状況」が影響したと回答したのは全体では55%と過半を超えた。米国は最多数で80%を占めた。
(関連記事)
・ 【木本昌秀教授・東京大学大気海洋研究所副所長に聞く】異常な夏 今、地球は?(17.08.30)
・地球温暖化 異常気象で身近に みずほ情報総研調べ(15.12.01)
・高温耐性の米品種開発-地球温暖化対策(15.08.20)
・地球環境国際賞に松野太郎氏(旭硝子財団)ら(13.07.01)
・"環境危機時計"「極めて不安」な領域へ 利益優先」が針進める 旭硝子財団の調査結果(12.09.20)
重要な記事
最新の記事
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日
-
深作農園「日本でいちばん大切にしたい会社」で「審査委員会特別賞」受賞2025年9月18日
-
果実のフードロス削減と農家支援「キリン 氷結mottainai キウイのたまご」セブン‐イレブン限定で新発売2025年9月18日
-
グローバル・インフラ・マネジメントからシリーズB資金調達 AGRIST2025年9月18日
-
利用者が講師に オンラインで「手前みそお披露目会」開催 パルシステム東京2025年9月18日