農林年金改正法 早期成立必要2017年10月20日
農林水産省は9月に農林年金(農林漁業団体職員共済組合)による特例年金の給付が完了する見込みとなったことから、早期にこの制度を廃止し同組合を解散する改正法案を決めた。衆議院解散で秋の臨時国会での成立は先送りとなったが、受給者・受給権者はすでに大幅に減少しており関係団体は、選挙後早期に制度廃止に向けた改正法案の成立が必要だとしている。
◆9割近くが一時金を選択
農林年金制度は、JA、漁協、森林組合などの役職員の公的年金制度だったが、平成14年に厚生年金と統合した。統合にともない支給される年金は厚生年金と職域年金相当部分の特例年金の2つとなった。
この特例年金はJAなど農林漁業団体が特例業務負担金を負担して給付財源としているが、平成22年から財政改善のため、年金の支給に代えて一時金を選択できる仕組みを導入し、さらに制度完了に向けて取り組みを進める方針を組織決定した。 それを受けて26年度から27年度にかけて一時金選択推進を行った結果、86%の選択率となったことから年金受給者・受給権者は大幅に減少した。
農林漁業団体は一時金の支給を義務化し特例年金制度を早期に完了することについて全団体が賛成しており、年金受給者組織も同様に意見集約をしている。
こうしたことから特例年金制度の最終的な完了を進めるという環境整備はできたとして、JAグループをはじめとする農林漁業団体と年金受給者組織は9月はじめに制度完了のための法改正を農水大臣に要望、農水省は①受給資格者に特例年金に代えて一時金を支給する、②全ての清算事務の終了時に解散することを主な内容とした改正法案(農林年金廃止法の改正法案)を決めた。
◆法改正は受給権者のニーズ
農林年金はもともと厚生年金との統合時から将来の廃止は決まっており、受給権者は増えることはなく制度が存続するほどコストがかさみ財政が悪化するばかり。農林年金の解散時期が遅れればその分がJAなどへの負担として続くことになる。
現行制度での一時金選択者は86%(約35万人)となっており、JAグループなど関係団体は「改正法案は、団体はもとより受給者組織および労働組合3者すべての要望である」として年内を目途に国会成立が求められているとしている。
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